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手首を流れる電流でAR眼鏡操作 Facebookが実用化へ

(更新)

【シリコンバレー=奥平和行】米フェイスブックは18日までに、手首を流れる微弱な電流の変化を読み取って情報機器の操作に使う技術を実用化する方針を明らかにした。第1弾として拡張現実(AR)の技術を活用した眼鏡型端末への応用を目指す。スマートフォンに続く次世代の情報機器をめぐる技術開発競争が熱を帯びそうだ。

ARに関する研究成果の説明会を開き、マイク・シュレーファー最高技術責任者(CTO)らが取り組みを紹介した。体の部位を動かそうとする際に変化する表面筋電位(EMG)を検知して情報入力に使う技術開発を進めていた米コントロール・ラボを2019年に買収しており、同社の技術を応用する。

説明会ではリストバンド型の機器の試作機を紹介し、親指と人さし指を近づけるといった動作によりパソコンのクリックに相当する操作ができる様子を示した。音声に比べて外出先などでプライバシーを守る効果が高いと説明し、人工知能(AI)が状況を理解して適切な選択肢を示す技術と組み合わせて使う考えを示した。

実用化までは「何年もかかる」(シュレーファー氏)とする一方、「現在は初期の研究が佳境に差し掛かっており、実現可能と理解している」と強調した。また、幹部は実用化に先行して技術を広く公開することによりプライバシーや倫理といった問題を事前に洗い出して対応したい考えを示した。

フェイスブックは14年に仮想現実(VR)端末の開発を手がける米オキュラスVRを買収し、同分野に参入した。20年には社内の関連部署を集約して「フェイスブック・リアリティー・ラボ」を立ち上げ、ARも主要分野のひとつに据えている。本格的なARを活用した眼鏡型の端末に先駆け、年内にスマートグラスを発売する予定だ。

ARやVRの分野では米マイクロソフトが対応製品を販売しているほか、米アップルも眼鏡型端末に参入するとの観測が出ている。ただ、米グーグルが13年に眼鏡型端末を発売したもののプライバシー侵害との指摘を受けた経緯があり、倫理などを含む課題を解決して社会の理解を得ることが普及の条件となっている。

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