下院共和党トップ「民主党の支配終わった」 対中強硬派

【ワシントン=坂口幸裕】8日の米中間選挙の連邦議会下院選で野党・共和党が多数派を奪還するのが確実になり、与党・民主党のペロシ氏が務める下院議長のポストが共和に移る見通しだ。後継に有力視されるマッカーシー院内総務は「民主党の支配は終わった」と宣言した。対中国強硬派で、ペロシ氏に続く台湾訪問に前向きとされる。
マッカーシー氏は西部カリフォルニア州出身で、現在57歳。トランプ前大統領に近く、8月に米連邦捜査局(FBI)が同氏の邸宅を家宅捜索した際は「(捜査権限の)政治利用」と非難した。
中国には厳しい姿勢で臨む。「台湾を自衛させ、中国が侵略しないようにしよう」と話す。8月にペロシ氏が訪台した際は「支持する。彼女が私に頼んでいたら一緒に行った」と明言し、「共和議員を連れて行かなかった。議会が声をひとつにしたいなら両党から集うべきだ」と語った。
党内基盤には不安が残る。15日に実施した共和の次期下院議長候補の選出ではマッカーシー氏が188票、対抗馬のビグス氏が31票。トランプ氏の支持議員が多い保守強硬派「フリーダム・コーカス(自由議連)」の票がビグス氏に流れたとみられる。本選挙でマッカーシー氏を支持する条件として議長の権限縮小などを求める。
2023年1月に始まる新議会の下院(定数435)の議長選挙で勝利するには過半数の218人の支持が必要になる。中間選挙の下院選で共和は僅差で多数派を確保するとみられ、マッカーシー氏が選出されるには共和議員の大半の賛成が欠かせない。