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Uber、米カリフォルニア州で値上げ 運転手の待遇改善

ウーバーなどが主導した住民立法案「プロポジション22」に反対するライドシェア運転手ら(20年10月、サンフランシスコ市)

【シリコンバレー=白石武志】ウーバーテクノロジーズやドアダッシュなどの米配車・料理宅配大手がカリフォルニア州でサービスを値上げした。2020年11月の住民投票で承認された法案で各社が約束していた運転手の待遇改善を果たすため。値上げ幅は最大1回2ドル(約206円)になる地域もあるが、消費者への周知はほとんどなく市民団体は反発する。

ウーバーは20年12月中旬、カリフォルニア州内の利用者を対象に「運転手の福利厚生費」と呼ぶ追加料金の徴収を始めた。同社は金額を明らかにしていないが、ライドシェアの場合で1回あたり0.3~1.5ドル、料理宅配の場合で同0.99~2ドルとみられている。

同社は値上げを原資に運転手らの待遇を改善、同州内では各地域の法定最低賃金の1.2倍の最低収入保障を始めた。すべての運転手を無料で事故保険に加入させ、週15時間以上運転する場合には健康保険料の助成も受けられるようにする。

ドアダッシュも州内の運転手らを対象にウーバーとほぼ同様の福利厚生策を導入した。米メディアは同社が州内のサービス料金をわずかに上げたと報じている。

今回の値上げの発端となったのは、同州が20年1月に施行したネットを介して単発の仕事を請け負う「ギグワーカー」らを保護する州法「AB5」だ。州政府は同法に違反し、運転手らを個人事業主に誤って分類することで社会保障費などの負担を不当に免れているとして、20年5月にウーバーとリフトの米ライドシェア2強を提訴した。

同州でライドシェアの運転手らを従業員として扱った場合、社会保障費などの負担でウーバーの場合は年5億ドル、リフトは年2億9000万ドルの追加費用が生じる可能性があった。事業モデルの変更を避けたい両社は、AB5を修正する住民立法案「プロポジション22」を20年11月の住民投票にかけることで事態の打開を目指していた。

ウーバーなどは有権者らの支持を取り付けるため、法案で運転手に法定最低賃金の1.2倍の最低収入保障を導入するなどの待遇改善を約束していた。20年11月の住民投票では賛成58.6%、反対41.4%で法案は承認され、12月中旬にプロポジション22は発効した。

州政府と配車・料理宅配業界の対立はひとまず決着した。ただ労働者保護団体「ギグ・ワーカー・ライジング」のローレン・ケーシー代表は各社の福利厚生について「あまりにも貧弱だ」と指摘する。ウーバーなどの手法について「おとり商法」と断じる。

例えば、ウーバーの規定では最低収入が保障されるのは送迎に向かう時間や客を乗せる時間だけで、客待ちの時間は含まれない。同団体ではプロポジション22に基づいて各社が提供する福利厚生が不十分であることを示すため、運転手から情報を集めるスマートフォンアプリを配布して検証を進めるとしている。

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