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ブラックロック、脱「株主主義」研究で新組織 CEO表明

【ニューヨーク=宮本岳則】米大手運用会社ブラックロックは、株主のみならず、顧客や従業員、地域社会など全ての利害関係者と向き合う「ステークホルダー資本主義」の推進に向けて、専門の研究組織を設立する。ラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)が日本時間18日、投資先企業に宛てた手紙で明かした。長期的な企業価値に与える影響を分析し、知見を広く共有するという。

研究組織は「ステークホルダー資本主義センター」と名付けた。ブラックロックは投資先企業との対話を年間3600件ほど実施している。自社の経験や外部の経営者・研究者の意見を踏まえながら、企業とステークホルダーの対話が果たす役割、長期的な企業価値との関係性などについて考察する。同センターの研究成果が今後、ブラックロックの議決権行使指針に影響を及ぼす可能性がある。

ブラックロックは世界最大の資産運用会社で、運用資産総額は10兆ドル(約1150兆円)を超える。株主総会シーズンになると、ブラックロックの議決権行使に注目が集まる。フィンク氏は毎年、日本の投資先約550社を含む世界の上場会社トップに手紙を送り、同社の考え方を伝えている。今年の主題は「資本主義の力」。優秀な人材の確保に向けて従業員との長期的な関係構築などを求めた。

米国では資本主義を巡って政治的な対立が起きている。与党・民主党は企業に気候変動対策や格差是正を求めている。一方、共和党はこうした風潮を「社会正義に目覚めた資本主義(Woke Capitalism)」と批判し、株主利益を重視するよう要求する。フィンク氏は「ステークホルダー主義は社会的、イデオロギー的な問題ではない」と述べ、企業行動が政治問題化することに懸念を表明した。

フィンク氏は「ネットゼロ(温暖化ガス排出実質ゼロ)」社会への移行についても持論を説明した。急激な移行がエネルギー価格を押し上げ、経済的に余裕のない人に影響を及ぼすと指摘、結果として気候変動を巡る意見の二極化が深刻になり、取り組みが遅れるとみる。その上で「石油・ガス会社から一律に資本を引き揚げる方針はとらない」と述べた。同社は一部の環境団体から投資の減額や取りやめを含む積極的な対応をとるよう求められている。

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