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米IT大手、渉外担当者を「社長」に メタは元英副首相

(更新)

【シリコンバレー=奥平和行】米IT(情報技術)大手の間で渉外担当の幹部をプレジデント(社長)に昇格させる動きが相次いでいる。メタ(旧フェイスブック)は元英副首相で2018年から副社長を務めてきたニック・クレッグ氏を起用した。反トラスト法(独占禁止法)改正などを巡る攻防が激しくなっていることを象徴する動きといえそうだ。

メタは16日、クレッグ氏を社長に昇格させたことを明らかにした。英国出身の同氏は07年に英自由民主党の党首に就き、10年から約5年にわたってキャメロン政権で副首相を務めた。旧フェイスブックに18年に入社し、副社長として国際渉外などを担当してきた。

メタのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)はフェイスブックへの投稿を通じ、「規制を巡る状況が急速に変化しており、グローバルな政策課題をリードし、当社を代表する上級幹部が必要になっている」と起用の理由を述べた。

クレッグ氏を自身やシェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)と同格の上級幹部に位置付け、ザッカーバーグCEOの直属の部下とするとしている。従来はサンドバーグCOOの部下との位置づけだったが、今後は2人に報告する形となる。

背景には反トラスト法に加えて、プライバシーやコンテンツ管理、児童保護などの問題を巡り各国の議会と規制当局が米IT大手に対する締め付けを強めている事情がある。ザッカーバーグCEOは米議会の公聴会に何度も呼ばれ、長時間にわたり厳しい追及を受けてきた。

渉外担当の幹部を社長に起用する動きでは競合他社が先行した。グーグルは21年10月、国際渉外担当の上級副社長だったケント・ウオーカー氏を社長に起用した。同氏は06年にグーグルに法務責任者として入社し、20年以降は米司法省や州司法長官が同社を反トラスト法違反で訴えた裁判の対応にあたってきた。

主要企業ではマイクロソフトの動きがもっとも早く、法務責任者だったブラッド・スミス氏を15年に社長に起用している。スミス氏は1990年代後半から2000年代初めにかけて、米司法省が同社を反トラスト法違反で訴えた裁判を担当した。同氏を早期に要職に起用したことにより、各国の規制当局との関係が円滑になったとの見方がある。

一方、期待通りの効果を得られるか不透明な面もある。メタのザッカーバーグCEOはクレッグ氏を社長に昇格させたことにより、「将来の新製品の開発を指揮することに自分のエネルギーを使えるようになる」と説明する。ただ、CEOが経営の最高責任者であることに変わりはなく、引き続き議会対応などを求められる可能性が高い。

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