イエレン米財務長官、中国副首相と会談 対話強化で一致 - 日本経済新聞
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イエレン米財務長官、中国副首相と会談 対話強化で一致

(更新)

イエレン米財務長官と中国の劉鶴(リュウ・ハァ)副首相は18日、スイスのチューリヒで会談した。バイデン米政権の発足以降、両者の対面での会談は初めて。米財務省によると、両者は経済・金融面での対話強化や、気候変動対応を巡る途上国への金融支援で協力することで一致した。

イエレン氏が劉氏に対して「率直な意見交換を通じて懸念している問題も提起した」という。今後、相互の国に訪問を検討すると明らかにした。

イエレン氏はアフリカ訪問前に会談のためスイスに立ち寄った。アフリカ諸国が直面する過剰債務の再編には最大の貸し手である中国の協力が不可欠で、米国側はこの問題でも前進を期待している。

劉氏は習近平(シー・ジンピン)国家主席に近く、金融や通商問題を担当している。世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)に出席するため15日からスイスに滞在していた。

イエレン氏は保護主義に傾いたトランプ前政権の政策に否定的で、かねて中国製品に対する高関税の引き下げを主張してきた。劉氏とは2022年7月にもオンラインで米中貿易摩擦などをめぐり意見交換した。

同年8月にペロシ下院議長(当時)が訪台して以降、米中関係は再び悪化したが、11月にはインドネシア・バリ島で米中の首脳会談が実現した。両首脳は経済案件も含めて高官同士の対話を深めることで合意した。

もっとも、米中間の緊張緩和に向けたハードルは高い。バイデン政権は22年10月に半導体の先端技術を巡る中国への輸出規制強化を発表し、中国は反発している。中国が台湾侵攻に踏み込むリスクもくすぶるなか、23年1月から野党・共和党が下院の過半数を握るようになった米議会は中国への強硬姿勢を強めている。

(ワシントン=高見浩輔、北京=川手伊織)

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