米国務長官「中国がロシア軍事支援検討」 18日米中協議
バイデン氏「ロシアと連携に懸念」伝達へ
【ワシントン=坂口幸裕】ブリンケン米国務長官は17日の記者会見で、中国がウクライナに侵攻したロシアに軍事支援を検討していると懸念を示した。バイデン米大統領が18日に中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と電話協議する際に「中国は取った行動の責任を負うと明確にする」と明かした。
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米政府高官が中国がロシア支援を検討していると公の場で認めるのは初めて。ブリンケン氏は「ウクライナでロシアが使う軍事兵器を中国が直接支援するのを検討していると懸念している」と表明した。米政府は中国がロシアに軍事支援する意向を示したと同盟国にも共有した。
ブリンケン氏は「中国は自らが支持すると公言している国際ルールと原則を守る責任がある」と指摘した。「ロシアの侵攻を非難するのを拒み、中立的な仲裁者のように見せかけて反対の方向に向かっている」と断じた。
米中首脳は18日にロシアが侵攻したウクライナ情勢を巡って意見を交わす。直接話すのは2021年11月にオンライン協議して以来になる。サキ米大統領報道官は17日の記者会見で「バイデン氏は中国がロシアと連携する潜在的な影響と結果について深い懸念を明らかにする」と述べた。
バイデン氏は、中国が米欧や日本などによる金融・経済制裁で打撃を被ったロシアを軍事・経済面で支えないよう迫る見通しだ。ロシアを支援すれば中国への経済制裁も辞さない意向を伝えるとみられる。
米国は制裁を科したロシアの銀行などと取引すれば中国にも制裁が及ぶ「二次的制裁」を念頭に置いているもようだ。すでに米国は中国の銀行の対ロ取引を監視しているとされ、中国当局も警戒を強める。
米中は14日にローマで高官協議を開いた。サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は中国の外交担当トップの楊潔篪(ヤン・ジエチー)共産党政治局員に、中国によるロシア支援に深刻な懸念を伝えた。中国は米側の要求に明確な返答を避けた。
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