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テキサス大停電に「人災」批判 復旧のめどたたず

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自宅が停電になり車の中で暖をとる女性(テキサス州)=ロイター

【ニューヨーク=中山修志】米南部を中心とする記録的な寒波の被害が広がっている。テキサス州では17日も大規模な停電が続き、復旧のめどはたっていない。寒波による死者は20人以上にのぼった。安価な電力供給を優先したエネルギー政策の失敗を指摘する声も強まっている。

テキサス州では気温低下による暖房利用の増加に、天然ガスパイプラインや風力発電設備の凍結が重なり、15日未明から大規模な停電が続いている。同州のアボット知事は州内の電力供給の9割を担うテキサス州電気信頼性評議会(ERCOT)に原因調査と早期の復旧を指示したが、ERCOTは17日、「18日の朝までに全面復旧する可能性は低い」とコメントした。

トヨタ自動車は15日以降に生産を休止した米国内の完成車4工場のうち、17日にケンタッキー州とインディアナ州の2工場の操業を再開した。ただ、テキサス州とミシシッピ州の2工場は電力の供給不足や周辺道路の凍結が続いており、再開の時期は未定だ。

寒波で水道管が破裂する地域も(17日、テキサス州)=AP

テキサス州は真冬でも気温が氷点下となることはまれだが、今回の寒波では州内各地でマイナス10度以下となり、1989年以来の最低温度を記録した。南部の天然ガスパイプラインや風力発電設備は氷点下での操業を想定して設計しておらず、急激な気温低下による凍結を防げなかったとみられる。

テキサス州では電力供給の規制緩和によって低価格競争が激化し、電力使用量が下がる冬場の発電を抑える傾向が続いていた。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは社説で「誤ったエネルギー政策が招いた停電だ」と州政府を批判した。ブルームバーグ通信は想定外の事態を意味する「ブラックスワン停電」だと表現し、安定供給より効率を優先した行政の対応に疑問符をつけた。

同州では11年にも寒波による停電が発生したが、ERCOTが再発防止の対応を怠ったとの指摘もある。米西海岸のカリフォルニア州では2020年8月に記録的な熱波による大規模停電が発生したが、今回も当時の教訓を生かすことができなかった。

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