フェデックス12~2月、2割最終増益 市場予想下回る

【ニューヨーク=白岩ひおな】米物流大手フェデックスが17日発表した2021年12月~22年2月期決算は売上高が市場予想を上回る前年同期比10%増の236億ドル(約2兆8000億円)だった。純利益は23%増の11億ドルで予想を下回った。1月の宅配料金の値上げで営業利益が改善した一方、新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」のまん延や輸送・賃金コスト上昇が収益を圧迫した。
年末商戦やギフト配送の需要がピークとなる12月は営業利益が同月として過去最高となった。一方で1~2月はオミクロン型拡大による人員不足や供給網寸断で需要が減少。足元では改善傾向にあるが、直近四半期には人件費上昇による追加費用も約2億1000 万ドルに上ったという。マイケル・C・レンツ最高財務責任者(CFO)は「インフレ圧力を緩和して収益を改善するため、業務効率の改善に注力する」と述べた。
退職年金の価値変動やその他費用を除く22年5月期通期の1株当たり利益の予想は20.50~21.50ドルで据え置いた。収益予想は「新たな新型コロナ規制や燃料価格の急変、地政学上の不利な影響がない」前提に基づくと説明している。供給網の制約で計画がずれ込んだため、設備投資額の見通しは72億ドルから70億ドルに引き下げた。同社の株価は時間外取引で一時3%下落した。
ロシアのウクライナ侵攻を受け、ウクライナ、ロシア、ベラルーシでのサービスを停止する一方、ウクライナへの150万ドル相当の救援物資の輸送を支援したと明らかにした。フレデリック・W・スミス会長兼最高経営責任者(CEO)は「紛争の影響を受けている従業員やその他の人々を支援し、一日も早く平和が訪れることを願う」と述べた。