テスラ、SECを批判 Twitter投稿監視「常軌逸する」

【シリコンバレー=白石武志】米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は17日、同氏のツイッター投稿への監視を強める米証券取引委員会(SEC)の取り組みに対し不服を表明した。過去の裁判の和解に沿ってテスラに同氏の発言を監督するよう迫るSECの行為について「常軌を逸している」と批判している。
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テスラとマスク氏の代理人が17日、米ニューヨーク州南部地区の連邦地裁に文書を提出した。SECが裁判所の承認を得ずに一方的にテスラに情報提供を求める召喚状を発行するなど「根拠のない調査に莫大なリソースを延々と費やしている」と訴えている。
ツイッター上の情報開示をめぐって両者が争った2018年の裁判の和解に従ってマスク氏とテスラが支払った計4000万ドル(約46億円)の罰金について、テスラ側は株主に分配するという当初の約束が果たされていないと批判した。解決のために裁判所に話し合いの場を設けるよう要望している。SEC側のコメントは得られていない。
マスク氏は18年8月にツイッター上でテスラ株の非公開化を表明し、3週間足らずで撤回して株式市場を混乱させた。証券詐欺の疑いで訴えを起こしたSECとの和解を成立させるため、テスラはマスク氏の情報発信を監督することなどを受け入れた。
ただ、その後もマスク氏は奔放な発言を繰り返しており、SECは合意が守られていない恐れがあるとして監視を続けている。21年11月にマスク氏がツイッター上の投票によって自ら保有するテスラ株を一部売却するかどうかを決めると提案した直後にも、SECはテスラに召喚状を送付している。
テスラ側は裁判所に提出した文書のなかで、SECが調査を続ける背景について「マスク氏が米国政府に対する率直な批判者であることが主な理由だ」と述べた。「(言論の自由を保障する合衆国憲法)修正第1条の権利行使を抑制するために計算されているようにみえる」との主張も展開した。