米マイクロストラテジー 仮想通貨購入資金、CBで調達
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【ニューヨーク=吉田圭織】米企業向けソフトウエアサービスのマイクロストラテジーは17日、代表的な暗号資産(仮想通貨)ビットコインの購入に充てる新株予約権付社債(転換社債=CB)の発行額を9億㌦(約950億円)に引き上げると発表した。事業資金ではなくビットコイン投資のための資金調達で、市場では変動リスクへの懸念も出ている。
私募でCBを発行し、償還期限は2027年2月15日。マイクロストラテジーは前日に6億㌦のCB発行を発表したが、3億㌦拡大する。投資家の需要が高ければ、さらに1億5千万㌦の追加発行も可能とする。
マイクロストラテジーは、インフレ回避手段として20年8月に初めてビットコインへの投資を始めた。その後、20年12月にCB発行で調達した一部をビットコイン購入に回すなど、徐々にペースを加速している。同社の株価は17日、CBが株式に転換された場合の1株価値の希薄化や、変動リスクの大きいビットコインへの積極姿勢に対する懸念もあり、一時8%近く値下がりした。
SECの資料によると、マイクロストラテジーは2月2日時点で約7万1079枚のビットコインを保有している。ビットコイン価格は16日、初めて5万㌦を突破し、同社が保有するビットコインの価値は3倍以上の36億㌦に上った。当時は1枚に付き平均で1万6109㌦の価格で購入していた。
ビットコイン推進派として知られる同社のマイケル・セイラー最高経営責任者(CEO)は、他の企業にも企業資産のビットコインへの転換を勧めている。直近では、米電気自動車大手のテスラCEOを説得し、テスラは1月に15億㌦分のビットコインを購入した。