米銀シルバーゲート、最終赤字転落 FTX破綻で預金急減 - 日本経済新聞
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米銀シルバーゲート、最終赤字転落 FTX破綻で預金急減

【ニューヨーク=竹内弘文】暗号資産(仮想通貨)関連企業との取引が多い米銀持ち株会社シルバーゲート・キャピタルが17日発表した2022年10~12月期決算は、最終損益が10億4900万ドル(約1300億円)の赤字(前年同期は1800万ドルの黒字)だった。交換業大手FTXトレーディング破綻を機に預金が急減。資金捻出の費用が膨らんだ。

銀行子会社シルバーゲート銀行の、中核的自己資本(ティア1)ベースの自己資本比率は22年末時点で5.12%と、22年9月末の10.45%から急低下した。銀行規制上「十分な自己資本を持つ」とみなされる5%以上をかろうじて満たす水準だ。アラン・レーン最高経営責任者(CEO)は公表文で「流動性の高いバランスシートと強固な資本を維持することに全力を尽くす」とコメントした。

シルバーゲート銀の預金総額の大半を占める、仮想通貨に関連する企業や投資家からの預金は10~12月期に81億ドル減少した。FTX破綻により仮想通貨の相場が急落するなか機関投資家は米国債など安全資産へ資金を移した。同行がFTXから預金を受け入れていたため、不安に駆られた預金者の引き出しもあったもようだ。

同行は大規模な引き出しに対応する資金を捻出するため保有債券を売却し、8億8500万ドルの売却損が発生した。短期借入金も前四半期末から36億ドル増やした。貸出金利と資金調達金利の差を示す利ざやは1.54%と7~9月期の2.21%から縮小した。米連邦準備理事会(FRB)の急ピッチの利上げにより、大手商業銀行の利ざやが拡大しているのとは対照的な動きとなった。

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