Microsoft、話題の対話型AI「ChatGPT」をクラウドで

【シリコンバレー=佐藤浩実】米マイクロソフトは16日、同社のクラウド基盤を介して米新興オープンAIのチャットボット「ChatGPT(チャットGPT)」を使えるようにすると発表した。チャットGPTは、質問に対して自然な文章で回答することで話題を集める。有力クラウドサービスが扱うことで、大企業の活用が広がる可能性がある。
クラウド基盤「Azure(アジュール)」で、オープンAIの技術を使えるサービスを拡充する。まず16日までに、大規模言語モデルの「GPT-3.5」や「Codex」、画像を生成する人工知能(AI)「DALL-E 2」を使えるようにした。チャットGPTについては「近日中」に利用可能にするという。
チャットGPTは、オープンAIが2022年11月に一般公開し、日本語でも利用できる。マイクロソフトは4年前から進めてきたオープンAIとの協業を広げる。アジュール経由のサービスでは、データの保護やプライバシー管理といった「大企業が利用するために必要な要件を備える」(マイクロソフト)としている。
マイクロソフトは19年にオープンAIに10億ドル(約1300億円)を投資し、自社サービスとの連携を進めてきた。22年には画像生成AIを組み込んだデザインソフト「Designer(デザイナー)」を発表したほか、子会社のギットハブを通じてAIがソースコードを提案するサービス「Copilot(コパイロット)」も販売している。
1月に入り、複数の米メディアはマイクロソフトがオープンAIに対して最大100億ドルの追加投資を計画していると報じた。最終的な金額や条件は変わる可能性があるものの、進化の著しい生成AIをサービスに取り込む動きは強まる見通しだ。マイクロソフトの広報担当者は報道に対し「噂にはコメントしない」と述べた。
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