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Apple、オランダで出会い系アプリに外部決済容認

【シリコンバレー=白石武志】米アップルがオランダの規制当局の命令に従い、同国内で配信する出会い系アプリについて外部決済手段の導入を認めることが明らかになった。同社は韓国でも2021年に施行した法律に対応するため、アプリストア上で外部の決済サービスを容認する意向を示している。スマートフォン「iPhone」上のアプリ決済を独占してきた同社に対する規制当局の圧力が強まっている。

アップルは14日付の開発者向けウェブサイトへの投稿のなかで、オランダ国内の出会い系アプリを対象に同日から2つの新たな決済の選択肢を用意すると明らかにした。運営企業は同日以降、アプリ内に外部企業が提供する決済手段を導入するか、利用者を決済用ウェブサイトに誘導するためのリンクを埋め込むことができる。

出会い系アプリ運営会社の苦情を受けアップルを調査していたオランダの消費者・市場庁(ACM)は21年末、アプリ内の決済手段を自由に選べないのは「不合理だ」とし、同社に対し同国内で配信する出会い系アプリについて外部決済手段の導入を認めるよう命じていた。現状はオランダ競争法などに反するという。

米メディアによると22年1月15日までに対応しないと、1週間当たり500万ユーロ(約6億5000万円)の罰金を科されることになっていた。

アップルがデジタルコンテンツを扱うアプリに外部決済手段の導入を認めるのは今回が初めてとみられる。同社は21年9月の日本の公正取引委員会との合意に従って22年に全世界で規約の一部を変更し、動画や音楽、書籍などのコンテンツを楽しむための「リーダーアプリ」に限ってアプリ内に決済用ウェブサイトに誘導するリンクの設置を認める方針を示しているが、出会い系アプリは対象外だった。

アップルは今回の変更について「ユーザー体験を損ない、プライバシーやデータセキュリティーに新たな脅威をもたらす可能性がある」とし、命令に従うための一時的な措置だと強調している。14日付の投稿のなかでACMの決定を不服として既に上級審に控訴したことも明らかにした。

アップルは外部決済手段を使おうとする出会い系アプリの開発者に対しては、オランダでしか使えないバージョンを新規に用意するよう求めている。その場合でもアプリ配信のための手数料は請求するとしており、今回の変更が出会い系アプリの運営企業や規制当局などを満足させるかどうかは不透明だ。

アップルが有料アプリから徴収している15~30%の手数料は「アップル税」と呼ばれる。一部のアプリ開発者の間では高すぎるという不満がくすぶっており、各国・地域の規制当局が反競争的な行為がないかどうかの調査に乗り出している。

韓国は21年9月、アプリストア上で特定の決済手段の強制を禁じる法律を世界で初めて施行した。対応を迫られていたアップルは22年1月、同国当局に対し韓国内に限って外部決済手段を認める意向を伝えた。米国や欧州連合(EU)でもアプリ決済手段の外部開放を義務付けることを狙った規制づくりが進んでいる。

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