銃メーカー、84億円で和解 米小学校乱射の訴訟

【ニューヨーク=共同】2012年、米東部コネティカット州ニュータウンのサンディフック小学校で男が銃を乱射し、児童ら26人が死亡した事件を巡る訴訟で、遺族は15日、銃器メーカー側が7300万ドル(約84億円)を支払うことで和解が成立したと明らかにした。米メディアが伝えた。
銃器メーカーはレミントン・アームズ。被害者9人の遺族が14年に訴えていた。事件で使われたブッシュマスターAR15ライフルを一般市民に販売しつつ、戦闘用武器として宣伝したことで、事件を誘発したと主張した。
和解成立は、銃犯罪被害者や銃規制論者による訴訟提起に新たに道を開く可能性がある。
レミントン側は、犯罪で銃が使われたとしてもメーカーや販売者は基本的に責任を問われないとした連邦法を盾に反論したが、19年、連邦最高裁は銃器メーカーを相手取った訴訟を認めると判断していた。
レミントンは20年に連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を裁判所に申請し経営破綻したが、保険会社4社が支払いに応じた。原告によると、レミントン社内の一部文書を公開することも和解条件で、今後銃器メーカー側の「不法行為」が明るみに出る可能性もある。
事件で当時6歳の息子を亡くしたニコル・ホクリーさんは米メディアに対し「判決は画期的で歴史的勝利だ」と強調。銃器メーカーが「より安全な対策を取ることを迫られ、いくつもの命が救われる」と期待を示した。