米消費者態度指数、4月1.6ポイント上昇 見通しは横ばい

【ワシントン=長沼亜紀】米ミシガン大学が16日発表した4月の消費者態度指数(速報値)は86.5と前月から1.6ポイント上昇した。2カ月連続の上昇で、2020年3月以来1年1カ月ぶりの高水準となった。ダウ・ジョーンズまとめの市場予測(89.0程度)は下回った。
「現在の景況感」が97.2で4.2ポイント上昇したが、「今後の見通し」は79.7で前月と変わらなかった。

調査担当者は、通例の景気回復期には「見通し」の改善が先行するが、今回は「景況感」が先だって上向いていると指摘。米政府の景気対策による給付額が大きく、経済再開の動きが急拡大しているのが、景況感の改善につながっているという。一方、新型コロナウイルスのワクチンの安全性やインフレへの懸念が見通しの回復を抑えたと分析した。
購入計画については、価格高騰を指摘する声が減る半面、雇用・家計の改善に自信を示す声が増えた。調査担当者は「消費急増は続くが、コロナウイルスとインフレの動向に不透明感があり、消費者は預金の取り崩しに慎重だろう」との見方を示した。