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米大統領「長く困難な戦い」 ウクライナに追加軍事支援

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【ワシントン=坂口幸裕】バイデン米大統領は16日、ホワイトハウスで演説し、ロシアが侵攻するウクライナに追加の軍事支援を実施すると表明した。ウクライナに対戦車・対空ミサイルなどを供与するため、新たに8億ドル(950億円)の予算を措置する。ロシアによるウクライナ侵攻に関し「長く困難な戦いになる」と述べた。

米欧がこれまで供与してきた対戦車ミサイル「ジャベリン」や地対空ミサイル「スティンガー」に加え、最新鋭のドローンなども送る。ウクライナのゼレンスキー大統領の要請を受け、長距離の対空システムと弾薬も提供する意向を示した。

バイデン氏は「ウクライナ軍が(ロシアの)戦闘機やヘリコプターからウクライナ国民への攻撃を阻止し、ウクライナの領空を守り続ける対空システムも含まれる」と語った。

プーチン氏は「戦争犯罪人」

バイデン氏は同日、ウクライナへの侵攻を続けるロシアのプーチン大統領を「戦争犯罪人だ」と明言した。ホワイトハウスで記者団の質問に答えた。これまでは調査中を理由に判断を示していなかった。

侵攻を巡っては、国際刑事裁判所(ICC)が戦争犯罪と人道に対する罪の疑いで捜査を始めた。サキ大統領報道官は16日の記者会見で「米国として法的手続きは引き続き進行中だ」と話した。

バイデン氏は演説で、16日に米議会でオンライン演説したゼレンスキー氏について「説得力があり、意義深かった」と評価した。「残忍な侵略に直面しながら勇気と強さを示し、ウクライナ人だけでなく全世界を鼓舞している」と力説した。

ゼレンスキー氏が求めた戦闘機の供与や、ウクライナ領空の「飛行禁止空域」設定には触れなかった。

ウクライナに対する追加の武器提供を踏まえ「世界はウクライナを支援し、プーチンに非常に大きな代償を払わせるという決意で結束している」と唱えた。「ウクライナが困難な日々を戦い抜き、自らを守るための武器を提供する」と話し、欧州などの同盟国・有志国と支援を継続すると訴えた。

バイデン氏は15日、ウクライナ支援を強化するため136億ドル(1兆6000億円)を盛った2022会計年度(21年10月~22年9月)の予算案に署名し、成立した。16日に発表した8億ドルは成立した予算から拠出する。12日にも武器支援に充てる2億ドルの予算支出を承認した。

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