米国「悲劇の責任はロシアに」 ポーランド着弾2人死亡
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【ワシントン=坂口幸裕】米国家安全保障会議(NSC)のワトソン報道官は16日、ポーランド領内にミサイルが着弾し2人が死亡した事件について声明を発表した。ウクライナの迎撃ミサイルが着弾した可能性が高いとするポーランドの分析を追認する姿勢を表明。「悲劇的な事件の最終的な責任がロシアにあるのは明らかだ」と記した。
ポーランド政府の発表などによると15日、ロシア製とみられるミサイルがウクライナとの国境から約6キロメートルのプシェボドフの穀物乾燥施設に落ち、爆発で市民2人が死亡した。米政府はウクライナ側の迎撃ミサイルが誤って国境を越えてポーランドに着弾したとの見方を強めている。
NSCは声明で「ロシアは民間のインフラを標的にする目的でウクライナにミサイルを発射した。ウクライナには自衛のためのあらゆる権利がある」と強調し、ウクライナを擁護した。「ポーランド政府の調査を全面的に信頼しており、緊密に連絡をとり続ける」と訴えた。
ロシア軍は同日、ウクライナ全土の都市を再びミサイルで攻撃していた。このためポーランドに着弾したのはロシアが発射したミサイルだったとの見方が一時広がった。ロシアが関与していれば、北大西洋条約機構(NATO)の集団的自衛権が発動される可能性も否定できない事態だった。