NY連銀と米金融大手、デジタル通貨で実証実験

【ニューヨーク=斉藤雄太】ニューヨーク連銀とシティグループなどの米金融大手は中央銀行の発行するデジタル通貨に関する実証実験を始める。約3カ月間にわたり、法人や金融機関向けの大口取引でデジタル通貨を使った効率的で迅速な決済システムを構築できるかどうか検証する。
ニューヨーク連銀が15日発表した。民間側はウェルズ・ファーゴやバンク・オブ・ニューヨーク・メロン、マスターカード、英HSBCなども参加する。中銀発行のデジタル通貨と民間側のデジタル通貨をネットワーク上で相互運用できるかを探る。実験は実際の資金移動を伴わないシミュレーションになる見通しだ。実験を通じて技術面や制度設計面の課題をあぶり出す狙い。
中銀発行のデジタル通貨は「CBDC」と呼ばれ、米国で発行する場合は「デジタルドル」になる。米連邦準備理事会(FRB)はデジタルドルの発行を決めていないが、世界的にCBDCの開発が活発になっていることを踏まえ、検討を進めている。
すでにボストン連銀は技術面の研究を重ねている。ニューヨーク連銀の実験は大口取引での利用を想定した「ホールセール型」のCBDCだが、FRBは一般の消費者やお店などが利用できる「リテール型」の検討も進める。
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