キューバ大統領、ロシア訪問へ 来週にプーチン氏と会談

【メキシコシティ=清水孝輔】カリブ海の社会主義国キューバのディアスカネル大統領が来週にロシアを訪問し、プーチン大統領と会談することが16日わかった。ロシア国営メディアのスプートニクによると、ディアスカネル氏は22日にロシアで開かれるキューバ関連のイベントに出席する。会談では両国の連携を確認する見通しだ。
ディアスカネル氏は16日、ツイッターで「アルジェリアとロシア、トルコ、中国のリーダーたちの招待に応じて出発する」と明らかにした。27日にキューバに帰国する予定だという。ディアスカネル氏は4カ国を訪問する目的について「経済や政治的な結びつきを強める」と述べた。
ロイター通信によると、ロシアのペスコフ大統領報道官は記者団に対し、ディアスカネル氏のロシア訪問について「キューバは重要なパートナーだ。話すべきことは多い」と述べた。キューバはウクライナに侵攻したロシアを批判せず、協力関係を維持する姿勢を示してきた。
キューバは新型コロナウイルスの影響で主力産業である観光業が縮小し、経済が打撃を受けている。2021年には反政府デモを弾圧したとして米国政府から制裁を受けた。ディアスカネル氏は16日にはツイッターで「米国による経済封鎖の影響が深刻化している」と述べた。
島国で外貨不足に悩むキューバはエネルギーの供給不安に直面してきた。8月には石油を貯蔵していたタンクが落雷で爆発し、エネルギー不足が続いている。ディアスカネル氏は今回の訪問でロシアやトルコに対し、エネルギー面での支援を求める見通しだ。