10月の米小売売上高1.3%増 ガソリン・自動車がけん引

【ニューヨーク=白岩ひおな】米商務省が16日発表した10月の米小売売上高(季節調整済み)は、前月比1.3%増の6945億1800万ドル(約97兆円)だった。ガソリン価格の上昇や供給制約の緩和による自動車販売の増加が全体をけん引した。インフレで食品・飲料への支出が膨らんだほか、家具や外食など一部の裁量消費も増えた。
内訳をみると、ガソリン支出が4.1%増え、自動車・部品販売店が1.3%増えた。ガソリンと自動車を除く小売売上高は0.9%増だった。食品・飲料が1.4%増えた。電子機器やスポーツ用品はいずれも0.3%減った一方、外食は1.6%増、家具やホームセンターはそれぞれ1.1%増えた。衣料品は横ばいだった。
10月にはインターネット通販最大手アマゾン・ドット・コムやディスカウントストア大手ターゲットなど各社が米年末商戦のセールを前倒しで実施しており、一部の裁量消費の喚起につながったとみられる。シティグループのエコノミスト、ベロニカ・クラーク氏は「消費者が(年末商戦の)買い物をより早く済ませようとした可能性がある」と述べ、11~12月の支出を注視する必要があるとした。
数値はインフレ調整されておらず、食品価格やガソリン価格の上昇による上振れも含まれる。物価変動の影響を考慮した10月の実質ベースの小売売上高は0.8%増だった。前年同月比の小売売上高は8.3%増えた。