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バイデン政権、「コロナ最悪期」の船出へ

バイデン氏は就任前にコロナワクチンの早期接種を約束した(15日、米デラウェア州)=ロイター

【ワシントン=鳳山太成】バイデン次期米大統領は15日、新型コロナウイルスのワクチン接種の拡大をめざす新政権の戦略を公表した。20日の就任後に米国のコロナ感染が最悪期を迎えるとの厳しい認識を示し、ワクチンの早期普及を公約に掲げた。

新政権の滑り出しはコロナ対応の成否が左右しそうだ。

「より多くの人がより早くワクチンを接種すれば、このパンデミック(感染症の大流行)を早く終わらせられる」。大統領就任を5日後に控えたバイデン氏は演説でトランプ政権のワクチン政策を批判したうえで、自らの計画に自信をみせた。

具体的には連邦政府が主導して、全米の体育館やスタジアムを「接種センター」にして数千カ所を整備する。非常時の大統領権限で企業に命令し、ワクチンに必要な材料の生産を優先する。接種をためらう人への啓発活動も始める。

バイデン氏は、就任100日で国民にワクチン1億回分を投与する公約について「達成可能と確信している」と語った。政権発足後の100日間は「ハネムーン期間」と呼ばれ、国民やメディアが早急な評価を避ける傾向があるが、あえて自ら数値目標を設定して背水の陣を敷いた。

バイデン政権の発足はコロナの最悪期とぶつかり、時間との闘いを迫られる。米国では1日3千~4千人の死亡者が確認されており、累計40万人が目前だ。

米疾病対策センター(CDC)は15日、変異種の増加がさらなる感染拡大を引き起こし、3月までに変異種が新型コロナウイルスの主力となると警告した。バイデン氏も演説で「正直に言ってこれから事態はもっと悪くなる」と認めた。

バイデン氏はワクチンの早期普及を切り札とするが供給不足が課題だ。

米メディアによると、東部ニューヨーク州の医療機関が14日、ワクチン不足を理由にすでに受け付けていた数千人の接種予約をキャンセルした。西部オレゴン州のブラウン知事は「連邦政府からワクチンの追加供給を来週受けられないと通告された」と不満を表した。

米ジョンズ・ホプキンス大のアメシュ・アダルジャ上級研究員は「供給だけではなく、ワクチンを接種するインフラが重要だ」と指摘する。バイデン氏は14日、コロナ対策の一環でワクチン供給加速などに1600億ドル(約17兆円)の予算を発表したが、議会が早期に認めることが公約実現の必須条件となる。

CDCによると、15日までに3116万回分が供給され、1060万人が1回目の接種を受けた。バイデン氏はトランプ政権の遅れを「惨めな失敗」と断じた以上、国民に目に見えた成果を示す必要がある。目標を達成できずに、新政権への国民の期待が失望に変わるリスクとも隣り合わせだ。

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バイデン次期政権

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