/

米大統領、ロシア軍撤退「確認できず」 侵攻可能性残る

軍の規模15万人超に拡大

(更新)
think!多様な観点からニュースを考える

【ワシントン=坂口幸裕、ブリュッセル=竹内康雄】バイデン米大統領は15日、緊迫するウクライナ情勢についてホワイトハウスで演説した。ウクライナ国境近くから演習を終えて軍部隊を一部撤収させたとのロシア側の説明について「確認していない」と述べた。「侵攻の可能性は明らかに残っている」と語った。

バイデン氏はロシアがウクライナと隣国ベラルーシの国境沿いに配置した軍部隊は15万人以上に膨らんでいると表明した。これまで米政府はロシア軍の規模は10万人超との見方を示していた。北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長も同日の記者会見で国境付近では緊張緩和の兆しはないとの見方を示した。

ロシア国防省は15日、ウクライナ国境近くから演習を終えて撤収を始めたとする軍部隊の映像を公開した。バイデン氏はロシアの発表について「いいことだ」と指摘しつつ、「我々はまだ確認していない」と話した。

「数日から数週間のうちにロシアが侵攻した場合、ウクライナの人的コストは計り知れないものになる」と改めて懸念を表明した。米政府はロシアが侵攻すれば、最大5万人の民間人が死傷するなどと試算している。

バイデン氏は「外交と緊張緩和の余地は十分に残されている」と重ねて強調。「米国とNATOはロシアの脅威ではない。ロシアの人々を標的にしておらず、我々の敵ではない」と訴えた。

ロシアとの直接対決は望んでいないとしながらも、侵攻すれば金融・経済制裁を科す意向を示した。企業や重要インフラに破壊的なサイバー攻撃をしかけられれば「対処する準備ができている」と明言。NATOの同盟国などと協調し、サイバー空間の脅威への防衛力を強化していると警告した。

ロシアが求めるNATOの東方拡大停止の確約などを念頭に「国家には自ら進む道を決め、誰と付き合うかを選ぶ自由がある」と説き、改めて拒否した。

バイデン氏は15日、フランスのマクロン大統領と電話協議した。ロシアの軍備増強に備え、東欧の防衛態勢を強化する必要性などを議論した。

一方、NATOのストルテンベルグ氏はロシアが対話を続ける意向を示したことについて「慎重な楽観主義の根拠となる」と語り、前向きに受け止める考えを示した。ただ、ウクライナを攻撃するロシア側の準備が整っているとの見方も示し、「瀬戸際から一歩下がる時間はある」と、ロシアに緊張緩和に向けた行動をとるよう促した。

NATOは16日、国防相理事会を開く。会合は17日まで。オースティン米国防長官らが出席する。NATO非加盟のウクライナやフィンランド、スウェーデン、欧州連合(EU)の担当閣僚も参加する。

NATOはロシアが実際に行動に移すかどうかを慎重に見極める構えで、ウクライナ侵攻に備えて高い警戒度を維持する。

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

  • この投稿は現在非表示に設定されています

    (更新)
    (0/300)
(0/300)
投稿内容をご確認ください
投稿チェック項目誤字脱字がないかご確認ください
投稿チェック項目トラブル防止のため、記事で紹介している企業や人物と個人的つながりや利害関係がある場合はその旨をお書き添えください
投稿チェック項目URLを投稿文中に入力する場合は、URLの末尾にスペースか改行を入れてください
詳細は日経のコメントガイドラインをご参照ください

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

ウクライナ情勢

ロシアがウクライナに侵攻しました。NATO加盟をめざすウクライナに対し、ロシアはかねて軍事圧力を強めていました。米欧や日本は相次いでロシアへの制裁に動いています。最新ニュースと解説をまとめました。

■最新の戦況  ■マーケット・金融への影響  ■ビジネスへの影響  ■調査報道

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン