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NASA、スペースXの衛星網に懸念 「衝突リスク上昇」

(更新)

【シリコンバレー=白石武志】低軌道に計4万基の通信衛星を打ち上げる米スペースXの計画について、米航空宇宙局(NASA)が他の衛星などとの衝突の可能性を高めると懸念を示した。衝突の恐れはないと主張するスペースXに対し、リスクを再分析するよう求めている。

NASAが衛星通信事業の許認可権を持つ米連邦通信委員会(FCC)に2月上旬に送付した意見書のなかで表明した。スペースXが計画通りに衛星を打ち上げた場合に高度600キロメートル以下の物体の数が「5倍以上に増加する」と指摘し、「デブリ(宇宙ごみ)を発生させる衝突事故のリスクが高まる」と述べた。

NASAはスペースXがFCCへの認可申請書の中で大きな物体との衝突リスクがゼロであると説明していることについて「統計的な実証を欠いている」と批判した。他社の通信衛星網との衝突回避策の有効性を含めて、リスクを分析し直すよう求めている。

NASAは意見書の中でスペースXの通信衛星網が天体観測や宇宙船の打ち上げスケジュールに与える悪影響についても言及した。NASAの懸念に対するスペースX側のコメントは得られていない。

スペースXは約1万2000基の衛星を使うブロードバンド(高速大容量)通信サービス「スターリンク」について認可を取得し、すでに1700基を超える衛星を打ち上げている。現在は約3万基の衛星を追加する第2世代の計画についてFCCに認可を申請中だ。

中国政府が2021年12月に国連に提出した文書によると、スペースXの通信衛星は中国が建設中の宇宙ステーションと21年に2度、ニアミスを起こしている。米アマゾン・ドット・コムなども独自の衛星通信網の打ち上げを計画しており、宇宙空間の混雑を調整する必要が高まっている。

国内では、スペースXはKDDIと提携している。スペースXの衛星とKDDIの携帯基地局を接続する。21年から実証実験を進めており、22年内には通信がつながりづらい山間部や離島でも使える高速の通信サービスを国内で始める計画がある。

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