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ゴールドマン21年通期、最高益更新へ M&A過熱に警戒も

(更新)

【ニューヨーク=宮本岳則】米金融大手ゴールドマン・サックスが15日発表した2021年7~9月期決算は、純利益が53億7800万ドル(約6130億円)となり、前年同期に比べて6割増えた。世界的なM&A(合併・買収)ブームで助言業務が伸びた。1~9月期で前年通期の実績を上回っており、年間ベースの過去最高益達成もほぼ確実にした。

純利益は1~9月期で177億ドルに達し、すでに20年12月通期の実績(94億ドル)を超えた。残り3カ月となった21年通期も、金融危機さなかの09年12月期に達成した過去最高益(133億ドル)を上回って着地しそうだ。アナリスト予想を大きく上回ったことが好感され、15日の株価上昇率は3%を超えた。

けん引役は投資銀行部門だ。7~9月期の純営業収益は前年同期比88%増となった。特に助言業務は同3倍に膨らんだ。関与していたM&A案件が7~9月期に入って相次ぎ完了し、手数料収入が増えた。債券引受業務では買収ファンドの資金調達を支援する「レバレッジド・ファイナンス」が好調だった。

調査会社ディールロジックによると世界のM&A総額は、7~9月期に1兆5780億ドルに達し、1995年以降で過去最高となった。21年のM&A助言業務ランキング(買収金額ベース)でゴールドマンは首位に立つ。スティーブン・シャー最高財務責任者(CFO)は15日、「仕掛かり中の案件は20年末時点を大幅に上回っている」と明かした上で、とくに投資ファンドの案件が増えていると述べた。

機関投資家の売買を仲介するグローバル・マーケッツ部門も好調だった。債券・為替・商品(FICC)のトレーディングは過去10年で最高の収益をあげた。特に商品市場では原油や天然ガスの価格が9月に入って変動するようになり、収益機会が増えた。トレーディングは金融規制の影響で稼ぎにくくなっていたが、投資家の積極的な売買によって息を吹き返した。

米証券オッペンハイマーの銀行担当アナリスト、クリス・コトウスキー氏はゴールドマンの好業績について「米連邦準備理事会(FRB)がバランスシートを急速に倍増し、金融市場に予測不能なアニマルスピリッツ(血気)を呼び起こした」と指摘した。超低金利環境が企業やファンドに積極的な投資を促し、その恩恵を最も受けたのが、ゴールドマンというわけだ。

M&A市場の過熱ぶりを警戒する向きもある。借り入れを使って買収額を膨らませた結果、行き詰まったファンドも少なくないからだ。デービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は「金融スポンサー(投資ファンド)に対する融資の勢いは非常に注意深くみている」と述べた。さらに今のペースは維持できないと指摘したうえで「いつかスピードバンプ(調整)が発生する」と話した。

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