2月の米卸売物価指数、前月比0.1%低下 予測下回る

【ワシントン=赤木俊介】米労働省が15日発表した2月の卸売物価指数(最終需要向け製品・サービス、季節調整済み)は前月比0.1%下がった。低下幅はダウ・ジョーンズ集計の市場予測(0.3%上昇)を下回り、インフレが予想よりも鈍化している可能性がある。前年同月比の上昇率は4.6%と、前月から1.1ポイント下がった。

品目別にみると、製品の価格が前月比で0.2%低下した。食品価格が2.2%下がり、指数全体の下げをけん引した。高騰が続いていた鶏卵価格が36.1%下がったほか、生鮮・乾燥野菜、住宅用天然ガス、軽油などの価格も低下した。一方、鉄・鋼鉄スクラップやガソリンの価格は上昇した。
サービスの価格も前月比0.1%下がった。卸売・小売手数料が0.8%下がり、物流価格も下がった。特に機械や乗用車の卸売手数料が3.9%下がった影響が大きかった。証券取引などの金融サービス価格は上昇した。
変動の激しい食品、エネルギー、運搬を除いた卸売物価のコア指数は前月比0.2%上昇した。
卸売物価指数は生産者や小売業者、物流業者などの企業間で取引される製品やサービスの価格変動を映す。最終的に消費者向けの物価にも影響する。米労働省が14日発表した2月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比6.0%上昇となお高い水準だ。市場予測に反し低下した2月の卸売物価指数は、金融システムの安定と物価安定を目指す米連邦準備理事会(FRB)にとって朗報だ。