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米、対ロシア追加金融制裁 外交官10人追放も

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バイデン大統領はロシアの駐米外交官10人を国外退去させる方針を決めた=ロイター

【ワシントン=中村亮】米ホワイトハウスは15日、ロシアが米政府機関へのサイバー攻撃や2020年の米大統領選での工作活動に関わったとして、新たな制裁措置を発表した。米金融機関によるロシア債券の取引制限を拡大し、駐米外交官10人に国外追放を命じた。米ロ関係が一段と悪化するのは確実だ。

ホワイトハウスは15日の声明で「ロシアと安定的かつ予見可能な関係を望んでいる」としつつも「我々は国益を守り、我々に害を与えるロシア政府の行動を罰する」と強調した。新たな制裁措置はサイバー攻撃や米大統領選での工作活動に加え、ロシアによるウクライナ領クリミア半島の併合も発動の理由にあげた。

ロシア外務省のザハロワ情報局長は15日、米国による制裁発表を受け、駐ロシア米国大使を呼び出したと明らかにした。「米ロ関係を正常化させたいとしたバイデン米大統領の発言に矛盾している」と反発した。「対抗措置は不可避」との認識を示した。

米政府は米金融機関を対象として、ロシアの中央銀行や財務省などのルーブル建てと外貨建ての新発債券の購入を禁じる。6月中旬から適用する。ロシア経済に打撃となり、ルーブル安の要因になる可能性がある。

米国は19年、ロシアによる化学兵器使用を理由に一部の外貨建てのロシア債券の取引制限を行っており、ロシア資本市場への圧力を強めたことになる。

国外追放の対象となったのは米首都ワシントンで勤務する外交官10人で、情報機関の担当者も含まれている。トランプ前政権も18年3月にロシア外交官の国外追放を実施した。

米議会が求めていたロシアとドイツを結ぶ天然ガスのパイプライン建設計画ノルドストリーム2に参画する企業への制裁は見送った。同盟国のドイツに配慮したとみられる。

バイデン政権は3月、ロシア政府が反体制派指導者のアレクセイ・ナワリヌイ氏の毒殺未遂事件に関与したとして政府関係者7人を制裁対象に指定していた。

バイデン氏は3月、ロシアのプーチン大統領について「人殺しだ」との認識を示した。ロシアは猛反発し、駐米大使を一時帰国させて米ロ対立が強まった。最近はロシア軍がウクライナとの国境付近に部隊を増強していることについても米ロ関係の新たな火種になっている。

一方でバイデン氏は今月13日にプーチン氏と電話して首脳会談を第三国で数カ月以内に開く案を伝えて米ロ関係の改善に意欲も示した。核軍縮や気候変動対策を協力可能な分野とみて是々非々での協力を探っている。米ロは2月、核軍縮の枠組みである新戦略兵器削減条約(新START)の5年間延長で合意していた。

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