米国務長官「NATO、日豪などと地域超え防衛協力」
北欧2カ国の新規加盟「合意を確信」 トルコが難色

【ワシントン=坂口幸裕】ブリンケン米国務長官は15日、米欧の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)について「地域を超えた防衛協力を強化する」と述べた。「たとえばオーストラリア、日本、韓国、ニュージーランドなどとの関係だ」と表明した。
6月末にスペインで開くNATO首脳会議に4カ国の参加を呼びかけており、連携を話し合う。訪問先のベルリンでの記者会見で語った。
14~15日にベルリンで開いたNATO外相会合では、NATO加盟をめざすフィンランドとスウェーデンの動きを歓迎する声が相次いだ。ブリンケン氏は記者会見で「加盟を強く支持する」と強調した。「我々は長くNATOの門戸開放政策、すべての国が自らの将来や政策を決める権利を支持してきた」と指摘した。
トルコはフィンランドやスウェーデンの加盟に難色を示している。ブリンケン氏は現地でトルコのチャブシオール外相と会談したと明かしたうえで「(NATOが2カ国の加盟で)合意できると確信している」と訴えた。NATO加盟には30カ国すべての加盟国の承認が必要になる。
NATOに加盟しているトルコはテロ組織として敵視するクルド系武装勢力、クルド労働者党(PKK)などとフィンランド、スウェーデンが近い関係にあることなどを問題視する。チャブシオール氏は「テロを支援する国は加盟すべきではない」と話した。
今回のNATO外相会合は6月末にスペインの首都マドリードで開く首脳会議の地ならしの位置づけになる。ブリンケン氏は「NATOの構想の中心にあるのは、防衛と抑止という概念だ」と説明。「それにはロシアからの侵略抑止、防衛も含む。NATOの同盟がロシアとの関係をどう考えているかは首脳会議に委ねたい」と唱えた。
ブリンケン氏は15日、ベルリンでウクライナのクレバ外相と会談した。外相会合を踏まえてNATOがウクライナへの防衛支援などを継続すると伝えた。ロシアによるウクライナ侵攻で同国の穀物が輸出できない状況になっていることへの対応も協議。ブリンケン氏は解決に向けた支援を約束した。

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