ブラジル次期外相、ベネズエラとの国交回復の意向
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【サンパウロ=宮本英威】ブラジルのビエイラ次期外相は14日、2023年1月に発足する左派のルラ次期政権で、南米ベネズエラとの国交を回復する方針を示した。現在の右派ボルソナロ政権は19年1月、野党指導者のフアン・グアイド氏を暫定大統領として承認しており、反米左派のマドゥロ政権との国交を断絶していた。
ビエイラ氏は首都ブラジリアでの記者会見で、政権交代後に「大使館を再開し、その後に大使を任命する」と述べた。
ボルソナロ氏は、親近感を示していたトランプ前米大統領と同じ立場にたってグアイド氏を支持していた。地元メディアによると、ボルソナロ政権がベネズエラの「大使」として承認している人物は、政権交代前にブラジルから離任する方針だという。
ビエイラ氏は職業外交官出身で、アルゼンチンや米国で大使を経験した後、ルセフ政権下の15~16年に外相を務めた。現在は駐クロアチア大使を務めている。この日の会見でビエイラ氏は、ルラ氏が就任3カ月以内に米国と中国を訪問するとの考えも示した。