/

Amazon創業者、バイデン大統領を批判 法人増税巡り

(更新)
think!多様な観点からニュースを考える

【シリコンバレー=白石武志】米アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏が13日夜、ツイッター上でバイデン米大統領にくってかかる場面があった。米国で約40年ぶりの水準となったインフレの対策として収益性の高い企業への課税強化を呼びかけたバイデン氏のツイートに直接返信するかたちで、「ミスディレクション(誤った指図)だ」と批判した。

発端となったのはバイデン氏が13日午後に投稿した「インフレを倒したいのか?(ならば)最も裕福な企業に公平な負担を払わせよう」とのツイートだ。政権の命運を左右する米中間選挙が半年後に迫り、インフレ抑制策が最優先課題となるなか、有権者に聞こえのいい法人増税をほのめかしたとみられる。

米メディアによるとアマゾンは2017年と18年の米連邦所得税を払っていない。バイデン氏は20年の米大統領選の最中から度々、同社をやり玉に挙げてきた。21年3月の米東部ペンシルベニア州での演説では「様々な抜け道を利用し、連邦所得税を1ペニーも払わずに済んでいる」と強い表現で非難している。

バイデン氏の13日付のツイートはアマゾンを直接名指ししなかったものの、ベゾス氏には見過ごせる内容ではなかったようだ。同氏は同日夜、バイデン氏の投稿への返信のなかで「法人税の引き上げを議論するのは良いことだ。インフレを抑えることは重要な議論だ。(ただし)これらを一緒にするのは、単なるミスディレクションだ」と書き込んだ。

ベゾス氏は投稿のなかで「新しくできた偽情報委員会はこのツイートをよく調べるべきだ」とも指摘した。バイデン米政権がネット上などで流布する偽情報対策を強化するために4月末に米国土安全保障省に設置すると発表した「ディスインフォメーション・ガバナンス・ボード(DGB)」を指しているとみられる。DGBは米民主党側に有利な言論統制を推進する組織だとして、米共和党から批判を浴びている。ベゾス氏はこうした政権批判に乗っかった格好だ。

ベゾス氏は「あるいは代わりに『不合理な推論』委員会を新たに設立する必要があるかもしれない」とも述べ、インフレ退治と法人増税の議論を混同するかのようなバイデン氏の投稿を痛烈に皮肉った。一般にはインフレ抑制には法人税ではなく金利が重要であると考えられている。

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

  • この投稿は現在非表示に設定されています

    (更新)
    (0/300)

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン

権限不足のため、フォローできません