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米SEC委員長にゲンスラー氏 オバマ政権で金融規制主導

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SEC委員長に起用が決まったゲンスラー氏(13年7月の米議会証言)=ロイター

【ニューヨーク=宮本岳則】バイデン次期米大統領は18日、米証券取引委員会(SEC)の次期委員長に、元米商品先物取引委員会(CFTC)委員長のゲーリー・ゲンスラー氏を起用すると発表した。オバマ政権下でリーマン危機後の金融規制強化を主導した実績などを買われ、再び監督当局トップに就くことになった。中国企業の米上場規制など市場ルールの整備を担う。

バイデン次期大統領は同日、消費者金融保護局(CFPB)の局長に連邦取引委員会(FTC)の委員、ロヒト・チョプラ氏を起用すると発表した。同氏はオバマ政権下で設立されたCFPBで学生ローンのオンブズマンを務め、ローンを提供する金融会社に対し、返済に苦しむ学生を支援するよう求めていた。

ゲンスラー氏とチョプラ氏は上院議会の承認を得た上で、金融監督当局トップに就任する。両氏とも規制・監督強化を志向しているとみられ、ウォール街は身構えている。トランプ政権下のSECは企業寄りとの指摘があったほか、CFPBもトランプ政権の介入によって弱体化したとされる。

米金融大手ゴールドマン・サックス出身のゲンスラー氏は、民主党政権下で要職を経験してきた。クリントン政権下の1999年から2001年に財務次官(国内金融担当)を務めたほか、オバマ政権ではCFTC委員長に起用された。16年の米大統領選ではヒラリー・クリントン氏陣営の財務責任者を務めた。20年の大統領選後にバイデン氏の政権移行チームに参画しており、重要ポジションでの起用がささやかれていた。

ゲンスラー氏は金融マーケットの専門知識を生かし、リーマン・ショックの後始末で手腕を発揮した。クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を中心とする店頭デリバティブ市場は、08~09年の金融危機時にマーケットの混乱を増幅したとの反省から、金融規制改革法(ドッド・フランク法)で抜本的な見直しが求められた。ゲンスラー氏はCFTC委員長として「古巣」ウォール街と対立しながらも、スワップ取引の監視体制を作り上げた。

現在は暗号資産(仮想通貨)専門家の「顔」も持つ。米マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院で仮想通貨技術「ブロックチェーン」の研究を進めてきた。米フェイスブック主導のデジタル通貨「リブラ(現ディエム)」構想を巡って、専門家の一人として米議会で証言を求められたこともある。一部議員の助言役としてCFTC委員長退任後も政治との関わりは続いていた。

トランプ政権が積み残した重要課題は多い。1つはMMF(マネー・マーケット・ファンド)市場の改革だ。新型コロナウイルスの感染拡大初期にMMFの解約が急増し、市場の波乱につながった。トランプ大統領の作業部会は20年12月、規制強化を求める報告書をまとめており、ゲンスラー氏率いるSECが今後、検討作業を加速させるとみられる。米上場の中国企業の監視を強化する法案が同12月、米議会で可決したが、SECによる新規則策定はまだ終わっていない。

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