NYで初のジャパンパレード 文化紹介、沿道に2万人

【ニューヨーク=大島有美子】米ニューヨーク市の中心部、マンハッタンで14日、日本文化を紹介するパレードが開かれた。セントラルパーク横の道路を、日本人や日本に関心のある米国人など約2400人が練り歩いた。沿道には2万人超が集まり、日系人の人気俳優やキャラクター、伝統芸能のパフォーマンスに歓声があがった。
「ジャパンパレード」の開催は初めて。例年はセントラルパークで日本を紹介する祭りを開いてきた。日本から岩倉使節団が米国に渡ったのが1872年で、2022年は150年となる節目の年にあたる。より多くの人に日本に感心を持ってもらうため、パレード形式とした。ニューヨークに拠点を置く文化サークルやスポーツの愛好家団体、日系企業など約90団体がパレードに加わった。

ハリウッドで有名な日系人俳優、ジョージ・タケイさんが冒頭に「パレードを楽しんでほしい」とあいさつすると、沿道は歓声に包まれた。タケイさんは人気SFドラマ「スタートレック」などに出演している。パレードでは人気アニメ「美少女戦士セーラームーン」の舞台俳優が役にふんして登場したほか、雅楽や太鼓の演奏などもあった。
パレードの近くでは、お好み焼きやお茶など日本の食に親しんでもらうブースも設けた。森美樹夫ニューヨーク総領事は「日本に関心のある人やたまたまここに来た人、多くの人にニューヨークへの感謝の気持ちを示したい」とパレードの意義を語った。
ニューヨークでは日本人や日系人のコミュニティーがロサンゼルスなど西海岸と比べて小さい。第2次世界大戦後や1980年代の貿易摩擦など、米国人の対日感情に配慮して大々的なイベントを開きにくい時代が続いた。日本を紹介する祭り「ジャパンデー」をニューヨークで初開催したのが07年。アニメーションや音楽など日本文化の浸透が進み、より地域に根ざした日系コミュニティーとして友好的な交流イベントを開きやすくなったという背景がある。