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米議会、独禁法改正でIT追及 上院も「自社優遇禁止」案

(更新)

【ワシントン=鳳山太成】米議会が巨大IT(情報技術)企業への追及を強めている。上院は14日、自社サービスなどのプラットフォームで自らを優遇することを禁じる法案を発表した。議会は多くの反トラスト法(独占禁止法)改正案を審議する。成立はまだ見通せないが、事業モデルの見直しを求める圧力は強い。

上院司法委員会に所属する与党・民主党のクロブシャー上院議員は14日、野党・共和党のグラスリー上院議員と共同で自社優遇を禁じる法案を提出すると発表した。

具体的には、プラットフォーム企業が検索結果で自社の製品やサービスを優先的に表示することを禁じる。第三者企業を有利に扱う代わりに製品やサービスの購入を求めたり、第三者企業のデータを不当に使ったりすることも違法とする。

クロブシャー氏は声明で「(巨大IT各社が)ますます自社の製品やサービスを優遇するようになっている。中小企業や起業家にデジタル市場で成功できる機会を提供しなければいけない」と法案成立に意欲を表した。

議会はアマゾン・ドット・コムがプライベートブランド(PB)製品を上位に表示したり、グーグルが自社の地図や旅行予約を目立つ位置に表示したりしていると批判する。アマゾンが第三者企業の販売情報をPB開発に活用しているとも指摘する。巨大IT各社はいずれも否定している。

下院の司法委は6月に同様の法案を可決しており、今回はその「上院版」となる。詳細は今後公表されるが、下院版よりやや厳しくなるとの見方がある。成立には上下院が同じ法案を通す必要があるため、上院の法案提出はIT各社にとって圧力が増す。

与野党議員は相次ぎ、法案を発表してきた。下院司法委は利益相反につながる事業の保有を禁じたり、M&A(合併・買収)の審査を厳しくしたりする法案も可決した。上下院はアプリの開発者が決済手段を自由に選べるようにする法案も審議中だ。

いずれもグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンという巨大IT企業を念頭に置く。買収を繰り返して巨大化した各社があらゆるサービスで高いシェアを握ったため競争が損なわれていると、議会は問題視する。

IT各社は法改正に反対するロビー活動に力を入れており、実際に法案が成立するかどうかは見通せない。巨大IT企業への強硬姿勢は超党派で広がるが、共和党には規制強化に反対する声が残る。下院司法委で可決された法案も本会議ではまだ採決されていない。

IT企業が支援する民主党系の業界団体「進歩会議所」のアダム・コバセビッチ最高経営責任者(CEO)は自社優遇禁止の法案を「多くの米国人が毎日使っている製品を破壊する内容だ」と批判した。法案が成立すれば消費者が不便になると指摘した。

巨大IT企業を巡っては現行法に沿って法廷闘争が進む。米西部コロラド州などの司法長官は2020年12月、グーグルが検索サイトで自社のサービスを優遇したとして反トラスト法違反の疑いで提訴した。

それでもデジタル技術によるサービスが社会に浸透する現状に合わせ、反トラスト法を見直すべきだとの声は高まる。米連邦取引委員会(FTC)はフェイスブックを提訴したが、裁判所は「(同社を)独占と主張する根拠が弱い」との理由で一度、却下された。現行法の限界が見え始めている。バイデン米政権も法改正を支持している。米国の反トラスト法は分岐点に差し掛かった。

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