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米経済「力強さ一段と」 地区連銀報告、供給制約は深刻

(更新)

【ワシントン=長沼亜紀】米連邦準備理事会(FRB)が14日発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)は、5月下旬から7月上旬にかけて米経済は「一段と力強さを増した」と総括した。景気回復が加速した一方、人手不足、配送の遅れなど供給面での制約が深刻になっていると指摘した。

報告によると、各地区の経済は「緩やか」もしくは「力強い」ペースで拡大し、前回より判断を引き上げた。新型コロナウイルス感染に関する懸念が減り、経済再開が進む中で、輸送業、旅行・観光業、製造業、金融以外のサービス業などが「平均を上回る」強い成長を示したという。

リッチモンド連銀地区では、ビーチ沿いのホテルの客室稼働率が記録的な高さになっているほか、短期滞在宿泊施設の予約も秋まで堅調に埋まっているという。カンザスシティー連銀地区では、製造業が活況で、大半の企業が需要増に応えるため、コロナ禍前もしくはそれを上回る規模の設備投資を計画している。

一方で、急激な需要回復を受け、材料や労働力の不足、入荷遅延、消費財の在庫薄など「供給サイドの乱れが一段と広がっている」という。スタッフ不足で営業制限している飲食店、宿泊施設、小売店の報告が相次いだ。フィラデルフィア連銀は「深刻な生産制約で、製造業は賃上げ、生産の外注、(生産ラインの)自動化などの対策をとっている」と報告した。企業は、需要増に明るい見通しを持っているものの、「供給制約の緩和には悲観的」だという。

労働需要は堅調で雇用は増えたが、求人が埋まらず人手不足に苦戦する企業の報告も相次いだ。セントルイス連銀地区のレストランは「新人の職に時給16ドル(約1760円)を出しても応募がゼロだった」と報告した。ミネアポリス連銀地区の人材派遣業者は「オンラインの採用イベントで求職者より採用希望企業の方が多かった」と伝えた。

こうした状況で、需要が特に強い未熟練労働者の賃金が大きく上昇したほか、その他の賃金も緩やかに上昇した。

物価も「平均を上回るペース」で上昇した。物価上昇圧力は幅広く高まっており、飲食店やホテルなどで特に強かった。「仕入れ価格と販売価格は今後さらに上昇する」と予測する企業が大半だった。企業の価格決定力にはばらつきがあったが、シカゴ連銀地区の業者が「価格が上がっても顧客の購入意欲は変わらない」と報告するなど、コスト転嫁に自信を持つ企業の声も聞かれた。

同報告は2日までの情報に基づき、全米の12地区連銀が経済動向をまとめたもので、27~28日に開く次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)の検討資料になる。

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