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世界共通「ワクチン接種証明書」 Microsoftなど開発へ

(更新)
経済活動の正常化に向け、各国や企業は新型コロナワクチンの接種履歴を確認・提示できる共通の仕組みを模索する=ロイター

【ニューヨーク=白岩ひおな】米マイクロソフトやオラクル、顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムなどでつくる有志連合は14日、新型コロナウイルスのワクチン接種を受けたことをスマートフォンのアプリ上で証明できる世界共通の国際電子証明書「ワクチンパスポート」を開発すると発表した。各国でワクチンの普及が進むのに合わせて早期から国境間の移動や経済活動の再開を促す狙いがある。

組織連合「ワクチン証明イニシアチブ」はマイクロソフト、オラクル、セールスフォースなど企業のほか、ロックフェラー財団の支援でジュネーブに設立された非営利組織「コモンズプロジェクト」や米医療非営利団体「メイヨークリニック」からなる。

新たに導入をめざすワクチンパスポートは、利用客の接種記録をスマートフォンのアプリや紙に印刷されたQRコードで提示する。飛行機の搭乗時だけでなく、出勤や登校、イベントへの参加や食料品店での買い物などでの活用も想定する。複数あるワクチンのうちどの種類の接種で入国を受け入れるかなど、独自のルールを設定できるようにする構想だ。

ワクチンパスポートにより人の移動や経済活動の再開が期待される(米国の空港)=ロイター

コモンズプロジェクトの最高経営責任者(CEO)を務めるポール・マイヤー氏は、今後はコロナ検査の陰性またはワクチンの接種済みのいずれかを証明すれば利用客が入国できるよう、複数の政府と協議を進めていると明らかにした。現在はコロナ検査の陰性結果を示すデジタル証明書を発行しており、ワンワールド、スカイチーム、スターアライアンスの3大航空連合で使用されている。

接種の記録方法や入国条件などは各国によって対応がバラバラだ。米政府はコロナワクチンの接種を受けた人々にワクチンの製造業者、製造番号、接種日を記録する紙のカードを作成している。ただ、米国では消費者がオンラインで予防接種記録に気軽にアクセスし、仕事や旅行時の証明に使う制度はまだない。

欧州ではすでに、国や地域単位で電子証明書の作成を探る動きも出ている。デンマーク保健省はワクチンを接種した市民が、接種が義務付けられている国に旅行するためのワクチンパスポートの作成に着手した。エストニアは世界保健機関(WHO)と、ワクチン接種データを国境を越えて共有できるようにする電子証明書を開発する契約に署名した。ギリシャ政府は欧州委員会に対し、全ての欧州連合(EU)加盟国を対象にした接種証明書の共通ルールを早急に作るよう求めている。

接種履歴を活用する上では、十分な免疫効果が得られているかの検証も必要となる。感染力が従来より強いとされる「変異種」がみつかった英国は、ワクチンの接種が感染や入院、死亡率の減少に効果がどの程度出ているかを精査するまで、ワクチンパスポートの検討は見送る方針だ。

共通証明書の導入をめぐっては、人々を健康状態で区別し、公共サービスを利用する権利や移動の自由を制限することも可能になるなど、個人情報や人権保護の観点から問題があるとの指摘もある。ギリシャのミツォタキス首相はこうした懸念に対し、予防接種を受けた人には自由な旅行を認めるべきだとする一方で「予防接種を義務付けたり旅行の前提条件にしたりするつもりはない」と述べた。

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