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米の過半州で経済再開 飲食店の制限撤廃、人の動きも急

(更新)
米国で新型コロナ対策の制限を撤廃する州が過半数となった=AP

【ニューヨーク=山内菜穂子】米国で経済活動再開の動きが急速に広がっている。50州のうち過半数の州は飲食店での収容人数といった新型コロナウイルス対策の制限を解除した。公共交通機関などの利用客数もパンデミック(世界的大流行)前の水準に戻ってきた。

米カイザー・ファミリー財団(KFF)の調査によると、10日時点でイベントや飲食店の人数制限などをなくし経済活動の「再開」を宣言した州は28にのぼった。飲食店を対象にした制限を撤廃したのは34州、企業向けの制限をなくしたのは29州だった。

動きはさらに広がる。4月に米国内で感染拡大が最も深刻だった中西部ミシガン州は10日、州が制限緩和の目安とするワクチンの接種割合が55%を超えた。24日にも、すべての企業で職場への出勤が可能となる予定だ。

マスクの着用義務も同様だ。米疾病対策センター(CDC)は13日、ワクチン接種が完了した人は、屋内、屋外ともにマスクをつけなくてもよいとする指針を発表した。AARP(旧全米退職者協会)によると、同日時点で25州でマスクの着用義務を撤廃している。

民間企業でも対応が進む。食品スーパーのトレーダー・ジョーズがワクチン接種済みの来店客にマスク着用義務をなくした。小売り最大手ウォルマートも14日、接種済みの来店客はマスクなしで利用できると発表した。18日からは接種を終えた従業員もマスクの必要がなくなる。マスクの着用義務がある州では引き続き着用を求める。

多くの州の経済再開を受けて、足元では人の移動が急速に活発になってきた。ニューヨーク市の地下鉄は7日に一日の推定乗客数が224万人と、2020年3月上旬以来、最も多くなった。17日からは24時間運行を再開する。同州都市交通局(MTA)の臨時局長、サラ・ファインバーグ氏は「地下鉄は街の要だ。ニューヨークは正常に戻っているように感じる」と自信を示した。

空港の利用者も増えている。米運輸保安局(TSA)によると、米国内空港の保安検査場の通過人数は13日、174万人に達した。20年3月上旬以来、最も多い人数となり、新型コロナの影響がなかった19年と比べて約7割の水準まで戻った。

飲食店への客足の戻りも鮮明になっている。レストラン予約サイトの「オープンテーブル」が集計する予約件数(着席のみ)は10日に19年と同水準になった。4月後半から19年比8~9割の予約件数を維持している。

ニューヨーク州では地下鉄の駅構内でワクチン接種ができる取り組みも始まった=ロイター

バイデン米大統領は米国人にとって重要な祝日の7月4日の独立記念日までに、社会生活を正常に戻す目標を掲げている。各州でこれに先んじる動きが出ている背景にはワクチン接種の進展がある。

CDCによると13日現在、少なくとも1回のワクチンを受けた人は全人口の46.6%、完全に接種を終えた人は35.8%。13日から接種が始まった12歳以上に限ると、少なくとも1回接種した人は55.2%、接種を終えた人は42.5%に達する。

ただ、直近ではワクチンの接種ペースの鈍化も課題になっている。バイデン氏は4日、7月4日までに少なくとも1回接種を済ませた成人の割合を7割にする目標を新たに設定した。各地で予約なしで接種できる会場を増やしたり、接種会場までの無料送迎サービスを拡大したりするなど、連邦政府や各州は接種を促す取り組みに注力している。

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