「サイバー攻撃に対抗」 日米欧30カ国が声明、中ロ念頭

【ワシントン=坂口幸裕】米ホワイトハウスは14日、サイバー攻撃への対策を巡る日本、欧州など約30カ国・地域との協力を柱とした共同声明を発表した。13~14日にオンライン形式で開いた国際会議を踏まえ、サイバー犯罪をしかけるロシアと中国を念頭に犯罪行為には共同で対処して是正をめざす方針を打ち出した。
会議には米国から閣僚級のサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)、日本から高橋憲一官房副長官補が出席した。欧州連合(EU)や英国、オーストラリア、インド、韓国などの閣僚らが参加した。
ファイルを暗号化し、ロック解除に身代金を要求する「ランサムウエア」と呼ぶ攻撃への対応が主な議題となった。
共同声明ではサイバー攻撃は国境を越えた犯罪が多く国際的な連携が必要だと指摘。「我々はともにサイバー犯罪に適切な措置を講じ、他国にも同様の措置を講じるように強く求めなければならない。お互いに他の国際的なパートナーとも協力して対抗していく」と強調した。
攻撃に備えた各国の強靱(きょうじん)性の強化や抑止策での能力構築を支援し合う方針を掲げた。身代金の支払い手段に悪用される暗号資産(仮想通貨)に関して政府や金融機関などが連携する重要性も明記した。
米政府が「悪意のある活動に関与している」と断じるロシアと中国を事実上排除した国際会議の開催で、同盟国・有志国が協力して両国に是正を迫る狙いがある。

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