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サウジ、ボーイング787を最大121機発注 新航空会社も

【ヒューストン=花房良祐、ドバイ=福冨隼太郎】米航空機ボーイングは14日、サウジアラビアの航空会社2社から最大121機の中型機「787」を受注したと発表した。サウジはオイルマネーを活用して観光を振興するほか、首都リヤドを地域のハブ(拠点)空港とする計画で「脱石油」の経済構造を目指す。

国営航空サウディアが39機を確定で発注し、10機をオプションで購入する。サウジアラビアの実力者ムハンマド皇太子が12日に設立を発表した新たな国営航空リヤドエアは39機を確定で発注し、33機をオプションで購入する。確定発注の78機分だけでカタログ価格は約370億ドル(約5兆円)にのぼる。バイデン米政権も後押ししていた数年がかりの大型商談だった。

787は三菱重工業など日本企業も製造に深く関わっており、日本の航空機産業への影響も大きい。新型コロナウイルス禍に旅客需要が急減しても各国の航空会社は燃費性能の高い787の運航を続け、使い勝手の良さが見直されている。

リヤドエアに100%出資するサウジ政府系ファンド、パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)によると、リヤドエアは2030年までにリヤドと世界100以上の都市を結ぶ計画で、同航空によって非石油部門の国内総生産(GDP)を200億ドル押し上げ、20万人以上の雇用を創出する方針だ。

サウジは石油依存からの脱却を目指す経済改革の一環として、同国を訪問する観光客やイスラム教の聖地を訪れる巡礼者の数を増やすことを掲げる。リヤドエアはサウジを経由して欧州やアジア、アフリカに向かうヒトの流れも取り込む。

中東ではエミレーツ航空が拠点とするドバイ、エティハド航空が拠点とするアブダビ、カタール航空が拠点とするドーハがハブ空港として急成長した。各社は中大型機を相次いで調達し、乗り換え需要を取り込む「スーパーコネクター」とも呼ばれた。

リヤドエアはエティハド航空のグループ最高経営責任者(CEO)を務めたトニー・ダグラス氏をトップに迎えるとしており、中東のハブの座を巡る争いが激しさを増しそうだ。

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