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JPモルガン、1~3月純利益5倍の1.6兆円 経済回復で

(更新)
JPモルガンの決算は貸倒引当金の戻し入れが利益を押し上げた=ロイター

【ニューヨーク=大島有美子】米銀最大手のJPモルガン・チェースが14日発表した2021年1~3月期決算は、純利益が前年同期比5倍の143億ドル(約1兆5600億円)となり、四半期で過去最高になった。米経済見通しが改善し、貸倒引当金を戻し入れたことが利益を押し上げた。

純利益は過去最高だった20年10~12月期(121億ドル)を上回った。事業会社の売上高に当たる純営業収益は同14%増の322億ドルで、2四半期連続の増収増益となった。同日決算を発表したウェルズ・ファーゴの純利益も前年同期比で7.3倍の47億ドルとなった。

JPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は増益の要因について「米経済の急速な回復によるものだ」と述べた。米経済は「極めて力強く、長年にわたって成長する可能性がある」と強気の見通しを示した。根拠として米政府の家計支援や今後のインフラ投資、米連邦準備理事会(FRB)による量的緩和などを挙げた。新型コロナウイルスに関しては「パンデミック(世界的大流行)が終わる可能性に対する高揚感がある」とも指摘した。

貸出先の破綻リスクに備えて計上していた貸倒引当金と貸倒損失を合わせた不良債権処理費用(信用コスト)は、41億ドルの戻し入れとなった。引当金は52億ドル取り崩した。コロナ感染拡大に伴う経済活動の制限による個人の失業や企業の減収を考慮し、20年12月末時点ではバランスシート上で308億ドル引き当てていた。

21年3月末の引当金は256億ドルとしたが、ダイモン氏は「あらゆる状況を考慮した適切で慎重な額だ」と強調する。貸出先別の戻し入れ額では消費者向けのカードローンが最大で、35億ドルとなった。個人消費は「パンデミック前の水準に戻った」(ダイモン氏)。JPモルガンのデータでは消費額が19年1~3月比で14%増だったという。

FRBのゼロ金利政策に伴い、金利収入は前年同期比11%減の128億ドルだった。一方で非金利収入は40%増の193億ドルだった。投資銀行業務や資産運用、住宅ローンの組成などで手数料収入が伸びた。

とくに好調だったのが投資銀行部門で、収入は3.2倍になった。新規株式公開(IPO)が活発で「株式の引受業務の手数料収入が3倍以上になった」(ジェニファー・ピプスザック最高財務責任者=CFO)。市場部門は25%増で、なかでも株式は47%伸びた。

消費者部門では金利低下でローンの借り換えや新規の申し込みが増え、住宅ローン組成額は40%増、自動車ローンは35%増となった。政府支援の支給により預金残高は1~3月期平均で32%増えた一方、貸出残高は7%減った。ダイモン氏は「消費者は多額のお金を持っており、クレジットカード(の請求額)をすぐ支払っている。経済が悪いときの貸し出し低迷とは違う」と説明した。

ウェルズも消費者部門が好調で、収益を押し上げた。旅行や外食などが回復し、デビットカードの利用も増加しているという。チャールズ・シャーフCEOは米政府から家計に支給された支援金のうち、ウェルズの推計では「半分が既に消費に回り、残り半分は銀行口座にとどまっている」との見方を示した。

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