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米、ゼロ金利解除 0.25%利上げ22年は7回想定

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【ワシントン=大越匡洋】米連邦準備理事会(FRB)は16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0~0.25%から0.25~0.50%に引き上げると決めた。新型コロナウイルス危機への対応として始めたゼロ金利を2年ぶりに解除する。ロシアのウクライナ侵攻で不確実性が高まるなか、インフレ抑制を優先し、大規模緩和の幕引きをめざす。

2015年12月から18年12月まで3年続いた前回の利上げ局面以来の連続利上げに乗り出す。今回の0.25%の利上げ幅は市場の予測通りで、9人の投票メンバーの賛成多数で決めた。セントルイス連銀のブラード総裁は反対し、利上げ幅0.5%を主張した。0.25%を1回として今回を含めて22年中に7回、利上げする想定を示した。

パウエル議長は会合後に記者会見し「政策金利の誘導目標の継続的な引き上げが適切だと考える」と表明した。米景気が後退する可能性は「特に高まっていない」との認識を示した。政策修正は「機敏に」進めるとし、必要があれば引き締めペースを速める考えにも言及した。世界のマネーの流れを変える転換点となる可能性がある。

米消費者物価は前年比で8%近く上昇し、40年ぶりの高インフレが続いている。FOMCは声明でロシアによるウクライナへの侵攻について「甚大な人的・経済的被害をもたらしている。米経済への影響は極めて不透明だが、短期的にはさらなる物価上昇圧力を生み、経済活動の重荷となる可能性が高い」と指摘した。

今回のFOMCは正副議長や理事、地区連銀総裁ら参加者16人がそれぞれ中期の経済・政策見通し(SEP)を示した。22年は計7回利上げするとの予想が中央値となった。前回予測を示した21年12月は計3回を見込んだ。22年中は3月を含めて7回のFOMC開催を予定しており、毎回連続で利上げする計算になる。

23年も3~4回の利上げを見込み、金利水準は2.8%まで上がると想定。景気を冷やしも熱しもしない長期的な水準とみる2.4%を上回るまで利上げし、インフレを鎮める姿勢を示した。

利上げ開始後、コロナ前の2倍の約9兆ドルに膨らんだFRBの保有資産を減らす量的引き締め(QT)に取り組む。前回QTは利上げ開始から2年近くたった17年秋に始めたが、今回は声明で「来る会合で削減を始めることを期待する」とした。パウエル議長は「早ければ次回5月の会合」で計画を決定する可能性を予告した。

中期見通しでは22年10~12月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比2.8%増えると予測。前回予測(4.0%)から下方修正した。物価上昇率は22年10~12月期に4.3%と見込み、2.6%としていた前回予測から大幅に上方修正した。23年以降に2%台に和らぐとした。失業率は3%台の低水準で推移し、長期的に4%で均衡するとみた。

3月に入り、コロナ感染の拡大を受けて中国では複数の都市が事実上の都市封鎖(ロックダウン)に踏み切った。供給網の目詰まりが再び強まりかねず、インフレと景気減速の両面で悪影響が広がる可能性がくすぶっている。 

フェデラルファンド(FF)金利 米連邦準備理事会(FRB)が短期金融市場を操作する際に指標とする政策金利。民間金融機関が翌日までの資金を融通し合う際に使う。景気の過熱時は利上げによって経済活動を支える資金の流れを絞り、景気が減速すれば金利を下げて資金の「蛇口」を緩める。市場操作はニューヨーク連銀が担当する。

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