米、スーダンのテロ指定解除 経済再建後押し

【カイロ、ワシントン=共同】ポンペオ米国務長官は14日、スーダンのテロ支援国家指定を同日付で正式に解除したと発表した。昨年まで約30年続いたバシル前政権下での孤立を脱し、文民主導で国際社会への復帰を進めていることを評価した。国外からの投融資を制限するテロ指定は経済再建の足かせとなってきたため、スーダンにとっては大きな後押しとなる。
アラブ国家のスーダンは10月下旬、米国の仲介でイスラエルと国交正常化に合意。米国はテロ指定解除を見返りに正常化を促したとみられる。ポンペオ氏は声明で、指定解除が「両国関係を根本的に変え、協調を拡大して歴史的な民主主義への移行を支援するものだ」と強調した。
昨年4月、クーデターでバシル政権が崩壊。民政移管に向けて発足した暫定政権が、米国に指定解除を働き掛けていた。軍民共同統治のトップを務めるブルハン統治評議会議長はツイッターに「民政移管を支援する歴史的な決定だ」と投稿し、米国への感謝を表明した。
スーダンは国際テロ組織アルカイダ指導者だったビンラディン容疑者にかつて居場所を提供。米国は1993年にテロ支援国家に指定していた。
トランプ大統領は10月下旬、スーダンがテロ指定解除の条件だった米国のテロ被害者や遺族に支払うための3億3500万ドル(約363億円)を米側に送金する手続きをしたことを受け、米議会に解除方針を伝えていた。