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トランプ氏弾劾、揺れる共和党 米民主主義の将来左右も

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米連邦議会議事堂の周辺で警備にあたる州兵(13日、ワシントン)=ロイター

トランプ米大統領の弾劾を巡って米共和党が揺れている。トランプ氏と決別するのか、なお党支持者の人気が根強いトランプ流の分断政治に頼るのか。共和党の行方は米民主主義の将来を左右する。

13日、弾劾訴追の決議を採択した米下院では、与党・共和党から10人が造反した。トランプ氏に対する弾劾訴追は2019年に続き2回目。史上初めて2度の弾劾訴追をされた大統領となった。

決議では、連邦議会議事堂の占拠事件で「暴力を扇動」した責任を問うと明記した。前回19年の弾劾訴追の採決ではゼロだった共和党議員の造反は2桁に。上院での弾劾裁判のカギを握る党幹部も採決への態度明示を避けるなど、共和党の動揺を映した。

米民主主義の「殿堂」とされてきた議事堂が占拠された事件は米国の歴史的「汚点」として大きな衝撃を与えた。大統領選の「不正」を訴えるトランプ氏を黙認してきた共和党指導部からも批判が目立ち始めた。

象徴的なのが共和党の上院トップ、マコネル院内総務だ。同氏はトランプ氏が「有罪」かどうかを判断する上院での弾劾裁判で、共和党の票を左右する影響力を持つ。

20日のバイデン氏就任後になる見通しの上院(定数100)での弾劾裁判で「有罪」と認定するには出席議員の3分の2の賛成が欠かせない。共和党から少なくとも17人の造反が必要だ。

与党幹部として本来ならばトランプ氏を擁護すべき立場のマコネル氏だが、同僚への書簡で「報道で臆測が浮上しているが、どう票を投じるか最終決断を下していない」と伝えたとされる。有罪評決に同調する選択肢を排除していないとの臆測を呼んだ。

マコネル氏の言動には、共和党や保守層へのトランプ氏の影響力をできるだけそぎ、共和党からの「追放」につなげたいとの思惑も透ける。「占拠事件で陰りがみえたトランプ氏の求心力は弾劾訴追でさらに低下した。ツイッターも使えず、影響力は一段と弱まる」。

共和党内の事情に詳しい元連邦議会スタッフのダニエル・ボブ氏はこう分析する。

ただ、共和党支持者のトランプ氏人気は根強く、党内には弾劾に賛成した下院ナンバー3のリズ・チェイニー氏を批判する声もある。野党転落が迫るなかで党内の分断が広がる。

公職を離れた後の弾劾裁判は異例だが、米議会調査局によると1876年に戦争長官(現在の陸軍長官)が辞任後に下院で弾劾訴追された前例がある。上院は弾劾裁判で無罪評決を下した。

民主党はトランプ氏の公職追放も見据える。上院の過半数の賛成で、弾劾裁判で有罪になった人物から公職に就く資格を取り上げられる仕組みの活用が念頭にある。

実現すればトランプ氏が視野に入れる24年大統領選への再出馬の道は閉ざされる。出馬を念頭に置く共和党議員にも悪い話ではない。「上院で罷免し、米国をこの男から守らなければいけない」。民主党のペロシ下院議長は共和党に秋波を送った。

(ワシントン=永沢毅)

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