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米仮想通貨交換コインベース上場 時価総額一時8兆円超

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米コインベースは14日、ナスダック市場に上場した=AP

【ニューヨーク=吉田圭織】米国最大規模の暗号資産(仮想通貨)交換所のコインベース・グローバルが14日、米ナスダック市場に上場した。主要な米国の仮想通貨企業としては初の上場となった。初値は381ドルで、時価総額は759億ドル(約8兆3500億円)に達した。取引所が事前に示す参考価格(250ドル)を52%上回った。

株価は一時429ドルまで上昇し、終値は初値比14%安の328ドルだった。コインベースの時価総額は一時、ニューヨーク証券取引所を傘下に持つ米インターコンチネンタル取引所(ICE)や香港取引所を上回った。日本取引所グループの5倍だ。株式の希薄化を考慮したベースで計算すると時価総額は1000億ドルを超える。株式の公開は新株を発行しないダイレクトリスティング(直接上場)の形をとった。

2012年設立のコインベースは米国最大規模の仮想通貨交換会社だ。IBMのエンジニアだったブライアン・アームストロング氏らが創業した。株主には米アンドリーセン・ホロウィッツなど有力ベンチャーキャピタルに加え、三菱UFJフィナンシャル・グループも名を連ねる。日本を含む世界各地に拠点を持つ。

コインベースの20年12月期通期の売上高は12億ドル、純利益は3億ドルだった。特に、代表的な仮想通貨のビットコイン価格が急上昇した20年10~12月期は取引量が急増した。売上高は5億8500万ドルに上り、前年同期比5.9倍に膨らんだ。21年1~3月期の純利益は7億3000万~8億ドルを見込む。

仮想通貨業界にとってコインベース上場の意味は大きい。金融市場を規制・監督する米証券取引委員会(SEC)の上場審査を通過したことで、「信頼できるインフラ」として一定の評価を得たといえる。アームストロング氏は「規制当局との緊密な連携を可能とするソフトウエアも開発した」と強調している。情報サイトのコインデスクによると、仮想通貨「ビットコイン」の価格は14日、一時6万4000ドルを超えた。

仮想通貨の投資ブームも追い風となった。コインベースはなかでも個人投資家の取り込みを意識している。上場前にオンライン掲示板「レディット」で個人からの質問を募集し、動画共有サイト「ユーチューブ」でアームストロング氏が回答した。米国で企業が個人投資家を意識した上場説明会を開くのは珍しい。

一方、高い評価には「期待先行」との見方もある。米調査会社ニューコンストラクツは「直近の企業価値はコインベースが世界最大の交換業の地位を確立するとの仮説に基づいた評価だ」と述べた。過熱気味の売買が持続するのかどうかは不透明だ。仮想通貨交換業ではバイナンスやジェミニなど米国内外に競合は多い。コインベースが上場を果たしたことで、クラーケンなどライバルも株式公開の機会をうかがっており、競争が激化する可能性がある。

収益構造の多様化も課題だ。コインベースの目論見書によると、収益の9割は売買に応じて徴収する手数料で、相場動向に左右されやすい。取引手数料はビットコインとイーサリアムが過半を占める。コインベースはカストディー(保管業務)サービスなど事業の多角化を進めている。

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