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Androidマルウエア感染、iOSの最大47倍 Apple報告

アップルはグーグルと異なり、モバイルOS上での非正規ストアの開設を容認していない=ロイター

【シリコンバレー=白石武志】米アップルは13日、スマートフォン「iPhone」上で正規ストア以外のアプリ配信を認めた場合のセキュリティー上の脅威などをまとめた報告書を公表した。消費者の安心・安全を損なう事態になると警鐘を鳴らすことで、欧米の立法府などで進むアプリ配信市場開放の動きをけん制する狙いとみられる。

「数百万のアプリのための信頼できるエコシステムの構築について」と題する報告書では、セキュリティーやプライバシーに関する150件近い調査や学術研究の成果を引用した。アップルは2021年6月に同様の報告書を開示しているが、今回は「マルウエア」と呼ぶ悪意のあるプログラムの脅威をより深く掘り下げたとしている。

例えばフィンランドの通信機器大手ノキアの調査を引用し、非正規のアプリストアを認めている米グーグルの基本ソフト(OS)「Android(アンドロイド)」を搭載した端末では過去4年、マルウエアの感染件数がiPhoneの「15~47倍にのぼった」と指摘した。アップルは従来の報告書で両者の差は「15倍」としていたが、今回はより差が大きいと強調した。

アップルは欧州ネットワーク情報セキュリティー庁(ENISA)の調査も引用し、マルウエアの新規感染の検出事例が1日当たり23万件にのぼることも紹介した。セキュリティーに詳しい米ポネモン研究所の16年の研究成果として、企業活動などにおける1件のマルウエア感染が平均1万ドル(約110万円)近いコストを生じさせていることも指摘した。

アップルはiPhone上で非正規ストアの開設を認めておらず、自社の「アップストア」上で配信する有料アプリからは15~30%の手数料を徴収している。アップルはすべてのアプリを配信前に事前に審査し、セキュリティー上の懸念などを理由に年間100万件近い新規アプリの配信申請を却下している。

アップルによる徹底した管理はiPhone向けアプリの安心・安全を高める一方、一部のアプリ開発者の間では強すぎる支配力への不満もくすぶるようになっている。事態を重く見た欧州連合(EU)の欧州委員会は20年末に米IT(情報技術)大手に対する包括規制案を打ち出した。同規制案の文言は、アップルに正規ストア以外のアプリ配信を容認するよう義務付ける内容だと解釈されている。

アプリ配信市場開放の動きは、アップルのお膝元である米国にも広がっている。米議会下院の超党派の議員らが21年6月に公表した反トラスト法(独占禁止法)改正案は、アプリストアや電子商取引(EC)などのプラットフォームを運営するIT大手への規制を強める内容だ。米メディアの間では法案が成立すれば、アップルは非正規ストアを認めざるを得ないとの見方も出ている。

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