世界のコロナ死者、1日で1.7万人超 米やメキシコで最多

【ニューヨーク=宮本英威】米ジョンズ・ホプキンス大のまとめによると、新型コロナウイルスによる新規死者数は12日に世界で1万7195人と、過去最多になった。クリスマスや年末年始に人の移動が増えて感染が拡大し、1日あたりの死者数で最多を更新する国が目立つ。感染力が強いとされる英国や南アフリカの変異種の拡大も響いている。
世界で最も多い米国は4336人と、同国として最多を更新した。州別ではカリフォルニア、アリゾナ、テキサスが多い。13日時点で累計死者数は38万人を超えている。
米疾病対策センター(CDC)は、累計死者数が1月末までに最大で43万8000人に増える可能性があると予測する。年末年始に地元に帰省していた大学生が戻った大学町で感染が広がっていると報じられている。
国別で2番目に多いのはメキシコの1314人で、英国が1243人で3番目だった。12日の死者数が過去最多だったメキシコは、メキシコシティを中心に首都圏での感染が多く、病床が逼迫している。糖尿病や肥満の国民が相対的に多く、検査数も少ないために致死率が高い。英国では13日報告の新規死者数が1564人で、過去最多となった。

世界の累計死者数は197万人を超えた。米国、ブラジル、インドの順で多い。
12日の新規感染者数は69万5324人だった。最多は米国で21万6647人で、世界全体の3割強を占めている。
欧米では感染拡大の防止につながると期待されるワクチンの接種が始まっている。ただ製薬会社の供給能力や安全性への懸念解消に課題が残り、実際の接種のペースは遅れている。
12日には米政府が、ワクチン接種の戦略を転換すると発表した。2回目の接種のために保管しているワクチンを放出して高齢者への接種を増やしていく。ロサンゼルスやニューヨークでは野球場が接種会場として用いられる。
世界保健機関(WHO)米州地域事務局を兼ねる汎米保健機構(PAHO)のエティエンヌ事務局長は13日、新型コロナ対策で油断した場合は「21年は20年よりも悪くなる」と警鐘を鳴らした。