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米下院、トランプ氏を弾劾訴追 史上初の2回目

弾劾裁判は新政権発足後に

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【ワシントン=中村亮】米下院本会議は13日、連邦議会議事堂の占拠事件を扇動したとして、トランプ大統領を弾劾訴追する決議案を可決した。2019年12月に続く弾劾訴追で、トランプ氏は2回の弾劾訴追を受けた史上初の大統領となった。次の焦点は上院の弾劾裁判に移るが、開催は20日の新政権発足後になりそうだ。

決議案は弾劾条項に「反乱の扇動」をあげた。「トランプ氏は議会での非合法行為を促す発言を意図的に行った」と断じ、6日の議会占拠事件に関与したと結論づけた。事件は民主党のバイデン次期大統領の選出手続き中に起きており、「民主的システムの正当性を脅かした」「平和的な政権移行を妨害した」などとトランプ氏を批判した。

採決は賛成232票、反対197票だった。共和党から10人が賛成に回った。前回19年の弾劾決議案の採決では造反者は出ておらず、トランプ氏の求心力が揺らぎつつあることを示した。手続きの不備などを理由に弾劾に反対した下院共和党トップのマッカーシー院内総務も13日、議場で「暴徒による水曜日の議会への攻撃について大統領に責任がある」と断じた。

トランプ氏は13日、ホワイトハウスのツイッターに投稿した動画で事件をめぐり「私は先週起きた暴力をはっきりと非難すると明確にしておきたい。この国に暴力や破壊行為はまったくふさわしくない」と強調した。一方、自身の責任や弾劾訴追については触れなかった。

トランプ氏の任期切れが1週間後に迫るなかで、異例の弾劾訴追になった。民主党のペロシ下院議長は13日、議場で「大統領は我々が愛する国家にとって明確で今まさに存在する危険となっている」と指摘し、事件からわずか1週間で弾劾訴追に至った理由を説明した。前回は調査開始から弾劾訴追まで3カ月近くを要していた。

次の舞台はトランプ氏が有罪かどうかを争う上院の弾劾裁判に移る。与党・共和党上院トップのマコネル院内総務は13日の声明で「今後7日間は安全な就任式(の開催)やバイデン次期政権への秩序的な移行に集中することが国にとって最も良い」と指摘。政権交代する20日までは弾劾裁判を開かない考えを示した。

上院民主党トップのシューマー院内総務は13日の声明で「上院の裁判はすぐに始めることができる」と指摘し、早期の裁判開始に意欲を示した。「重大な罪や軽罪で大統領を有罪にするか採決を行う」と説明し、トランプ氏が政権を去っても裁判を進める立場を明言した。バイデン政権が発足し、5日の南部ジョージア州の上院選決選投票で勝利を確実にした民主党の2候補が就任すると、民主党が上院の多数派を握り裁判の手続きについて主導権を握れる。

トランプ氏の退任後でも裁判を進めるのは、トランプ氏の行為が「有罪」に相当すると明確にして、類似の出来事が将来的に起きないよう予防する狙いがある。弾劾裁判では上院(定数100)のうち出席議員の3分の2が賛成すると有罪になる。

有罪が確定すると上院はトランプ氏から公職資格を剝奪するかを決める採決を行うことができる。採決で過半数が賛成すればトランプ氏は24年の大統領選に再出馬できなくなる。

トランプ氏を有罪とするには共和党から最低でも17人程度の賛成が必要になり、現時点でハードルは高い。

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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