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米経済「需要に減速の兆し」 地区連銀報告、消費に陰り

(更新)

【ニューヨーク=大島有美子】米連邦準備理事会(FRB)は13日発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、5月中旬以降、米経済は「穏やかに拡大したが、一部で需要に減速の兆しがみられた」と総括した。供給制約と人手不足が重荷となったほか、インフレで個人消費にも陰りがみえた。一部の地区は経済が減速したと記述し、景気後退を懸念する声も目立ち始めた。

全米12地区連銀の管轄地区ごとの経済状況では、ニューヨークとクリーブランドなど4地区で経済の減速や成長の鈍化を報告した。6月には全地区で拡大したと判断していた。「景気後退懸念の高まりから、顧客が支出を減らしている」(リッチモンド地区の専門サービス)など5地区から、将来の景気後退を不安視する声が上がった。

「多くの小売店が販売減を指摘し始めた」(リッチモンド地区)。インフレが長引き、消費者が財布のひもを締める姿が浮き彫りとなった。ニューヨーク地区では「在庫不足と価格高騰で新車・中古車ともに販売が低迷した」(自動車販売店)。ミネアポリス地区の2つの商業施設は「ガソリン価格の高騰で6月は客足が減った」と報告した。

米国では夏の観光シーズンで、新型コロナウイルス下からのリベンジ旅行需要が期待されている。「娯楽需要は底堅く推移した」(アトランタ地区)、「米国内の旅客需要は堅調」(ダラス地区)との声が多い一方で、変調もみられた。クリーブランド地区の飲食店からはガソリン高で「『ステイローカル(地元で過ごそう)』の流れが生じている」との指摘があった。

インフレは引き続き個人・企業の活動に重くのしかかった。「供給制約や人手不足、燃料高騰による価格上昇圧力がひどい」(ダラス地区の製造業)。カンザスシティー地区では多くの企業から「仕入れ価格の上昇ペースが販売価格を上回る」との指摘が上がった。セントルイス地区では飲食店がコスト増への対応でメニュー価格を引き上げたところ「客が減ったため、下げざるを得なかった」という。

労働市場は逼迫が続いた。「賃上げして福利厚生を高めても人が足りない」(リッチモンド地区のレジャー産業)。ダラス地区の飲食店は「従業員不足で、通常の85%までしか客を入れられない」と報告した。

シカゴ地区の企業は「人手不足だけでなく、高インフレが労働者が賃上げを要求する要因となっている」と危惧した。3分の1の地区が「インフレ相殺のため、従業員にボーナスを与えるか検討、もしくは支給した」と回答した。

報告書は7月13日までの情報に基づき、各地区連銀の管轄地域での経済動向をまとめたもの。次回26~27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の検討資料となる。

6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で9.1%上昇し、5月よりインフレが加速した。FOMCの参加者は6月の議事要旨で、景気後退の回避よりもインフレ抑制を優先する姿勢を示しており、多くの市場関係者は次のFOMCで1%も含む大胆な利上げに踏み切る可能性を織り込む。

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