サークルK親会社、仏カルフールに買収提案 2兆円強

【ニューヨーク=白岩ひおな】カナダのコンビニエンスストア運営大手で「サークルK」親会社として知られるアリメンテーション・カウチタードは13日、フランスの食品スーパー大手カルフールへの買収提案を行ったと発表した。買収総額は約200億ドル(約2兆800億円)を見込む。成立すれば世界で計2万6千店超を展開する大型小売企業が誕生する。
買収案によると、カルフールの1株あたり評価額は約20ユーロで、同社の12日終値を約29%上回る。カウチタードは「現段階では交渉が最終的な合意につながるかどうかは定かではない」とした。
カウチタードは北米で9000店以上のコンビニを展開し、大半の店舗がガソリン販売も手がける。2016年には米国でガソリンスタンドを運営するCSTブランズを約40億ドルで買収した。欧州では12年のノルウェーのスタトイル・フュエル・アンド・リテールの買収を足がかりに事業を広げ、約2700の拠点を持つ。
カルフールは欧州で計3500店以上のスーパーや大型店を運営し、世界で約32万人、フランス国内だけで約10万人の労働者を抱えている。ルメール仏経済・財務相は13日、仏テレビのインタビューで「この案件に賛成ではない。フランスの食料主権は重要な問題だ」と懸念を表明した。
米アマゾン・ドット・コムなどとの競争激化も背景に、小売業界では大型再編が相次ぐ。セブン&アイ・ホールディングスは20年8月、米石油精製会社マラソン・ペトロリアムからコンビニ併設型ガソリンスタンド部門「スピードウェイ」を210億ドルで買収すると発表。スピードウェイをめぐってはカウチタードも買収に関心を示していたとされる。米ウォルマートは20年10月、傘下の英スーパー3位アズダを英国企業に売却すると発表した。