ゴールドマン、デジタル金融の損失開示 3年で30億ドル
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【ニューヨーク=斉藤雄太】米金融大手ゴールドマン・サックスは13日までに、2022年10月に公表した組織再編に沿った新たな部門別の損益状況を初めて開示した。消費者や法人・機関投資家向けにデジタル金融サービスなどを提供する部門は、2020年から22年9月末までの約3年間で計30億ドル(約3800億円)超の税引き前損失が発生していたことがわかった。
今回の開示は、公表済みの決算内容を新部門別にくくり直してみたもので、過去の業績に影響は与えないとしている。同社は17日に22年10~12月期決算を発表する。
組織再編では従来4つだった事業の柱を①主力の投資銀行と市場運用を統合した「グローバルバンキング&マーケッツ」②資産運用と消費者・富裕層向けの「アセット&ウェルスマネジメント」③デジタル金融などを手がける「プラットフォーム・ソリューションズ」の3部門に集約した。
このうちプラットフォーム・ソリューションズは収入に対して与信費用や経費が上回る赤字状態が続き、税引き前損失は20年が7億8300万ドル、21年が10億4700万ドル、22年1~9月期が12億1100万ドルだった。同部門は投資銀・市場ビジネスに偏った収益源の分散を狙い、米アップルとのクレジットカード事業の提携や法人向け預金・決済サービスなどを展開してきたが、収益化に苦戦している様子が浮き彫りになった。
ゴールドマンは投資銀の収益低迷や組織再編を踏まえた経費削減にも着手している。今週には全社員のおよそ6%にあたる最大3200人規模のリストラに踏み切った。
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