米当局、食品・外食企業に塩分12%減を要請 病気予防

【ニューヨーク=河内真帆】米食品医薬品局(FDA)は13日、食品や外食企業に対してナトリウムを含む塩分の使用削減を要請する指針をまとめた。短期的に米国人の1日の平均塩分摂取量を12%減らす目標を設定した。米国で増える心臓疾患、糖尿病、肥満などの予防措置として食事の改善を進める狙いがある。
米国人が現在1日に摂取する3400ミリグラムのナトリウム(食塩換算で約8.6グラム)を2年半後に3000ミリグラムまで減らす目標を示し、企業に塩分使用量の削減を求めた。
塩分の過剰摂取を原因とした高血圧は心臓発作や脳卒中、腎不全などにつながるとされる。FDAでは米国の成人10人のうち4人以上が高血圧の症状を持つと指摘した。平均すると塩分の70%はスナック菓子や外食メニュー、加工食品から摂取していると分析し、企業側の対応が必要だと説明した。
アメリカ心臓協会(AHA)は13日の指針発表を受け「FDAの指針は国民の健康上の利益と医療費削減につながる可能性をもつ。この目標は重要な前進ではあるが十分ではない。摂取量は1日2300ミリグラムまで減らすべきだ」との声明文を出した。
FDAは2016年に指針の草案を発表し、摂取目標を1日2300ミリグラムとしていた。今回の指針が設定した目標量は草案時より多い。